確率的に俺が土日とも負けっぱなしなんてことはないんだ

 ハシッテホシーノにかなりぶち込んで悲しくなっていた俺、ウォータクティクスと迷ってアドマイヤダンクをとった俺。土日通じてほとんど全滅状態だった俺。
 だけれど俺は、俺は、一年の成績を見れば、七割五分くらい回収しているんだ。まったく負けっぱなしなんてことはないんだ。だからほら、俺は勇気を持って、東京の最終の、戸崎圭太に賭けることができた。フェイムロバリーは一度ダートで惨敗しているけれども、デビュー戦でのことだ。母父サンデーサイレンスに父ジェイドロバリー、れっきとしたサウスポー、少し時計の速い馬場。どうだ、見たか、いったんディオスクロイに引き離されたようには見えたさ。だがな、そっから追い詰めて、ハナ差盛り返すのが地方騎手の腕だ、戸崎の腕だ。ざまあ見ろ、単勝おいしゅうござんした。

 たいしたこたないが、西の最終でも、藤田伸二がハナ差だけしのいでくれた馬単。だいたい、運命ってのは、この天分、俺のしけたプリンスリーギフト、それをおおきく上回ることもなければ、おおきく下回ることもないんだ。まったく、ざまあ見ろ、ふざけんな。