そのまんま東はやっぱりなんか怖いんだよ

 俺は、2007年の1月にこんなことを書いた。

 そのまんま東の知事選勝利。いろいろな要因はあるのだろうし、いろいろ言及されている通りなのだろう。が、それとは別にどうしても違和感がある。
 「お笑い芸人が知事になる」という違和感とは別だ。「事件やスキャンダルのある人間が知事に」というのも違う。なんだろう、もっと別の。
 と、いろいろな感情を当てはめていって、一番しっくりきたのが「怖い」というものだ。目が笑っていない。「官製談合の後だから、政財界と縁のない人を」などという消極的な選択で選ぶにしては、ちょっと危険なんじゃないのか、わるいやつなんじゃないか、と。無能ではなく、危険。そのまんま東の仮面越しにもダークな雰囲気を漂わせてきた、東国原英夫の本体が表舞台に立つ。
 けど、県知事一人で何ができるのかね。東国原国として独立しようにもできまい。つーか、俺が怖がってるのも、ほぼ見た目の印象批判だからな。ともかく、自分の県でなくてよかったと思いつつ、様子を見よう。単なる小悪人で、前任者と似たような失脚するなら、それはそれで。

http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20070122#p4

 それから2年と半年。何ができるのかね? 結局なにもできないんじゃないのかね? ……と、思いつつも、なんだかんだで目立ち続け、宮崎県の知名度向上、存在感向上というのには繋がっているように見える(地元政治、生活がどうなってるかは知らない)。ともかく、空気のようにはならなかった。いや、それどころか、なんかもうすごい増長しているというか、イケイケドンドンになっているのだから怖い。

「ボクが行けば自民党は負けない。負けさせない。負けたら地方分権ができないんです」聴衆を引き込むド迫力で、立候補した場合は政権交代阻止に全力を挙げる考えを示した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090702/stt0907020926005-n1.htm

 総理総裁の椅子だとかなんだとかから(……関係ないけれど、さいきんテレビで見る古賀誠の人相がよくなったような気がする。プチ整形とかしたわけじゃないだろうが……)、このありさまだ。
 で、俺はこれを見ていて、やっぱりなんか怖かった。「なに思い上がってるんだ」とか、「がんばってほしい」でもなく、「なんか怖いよ、やっぱりこいつ、目が」って。
 いや、目で政治家を判断してもしゃあないけど、なんだかな、なんか怖いよって。よくわかんねーけど、もしも日本に独裁者が現れるとしたら、こういうあたりじゃねえのか? お笑い芸人から独裁者って、なんかちょっとディストピアSFにありそうな感じだし、なあ。うーん、しかし、なんだろう、もしも東国原首相、みてえなラインが万が一あるとすれば、まあ、たしかにこの、落ち目の自民党に食い込むというのは、千載一遇のチャンスなんだろうとは思うけれどもね。

「3年前に知事選に出る時、高千穂で決めた。神のお告げがあった。天孫降臨の地で、ぼくに白羽の矢が立ったと勝手に思っている。くしくもこんな日、また高千穂に来たのも何かの縁と感じている」。閣僚人事が発表になる3時間前、国政転身に向けて決断する節目の日になるかもしれないとほのめかした。高まる気分を抑えきれない様子だった。

http://www.asahi.com/politics/update/0702/SEB200907010050.html

 それで、まあ、天孫降臨、神のお告げまで出てきて、いよいよ神がかりかという吹き上がりっぷりで、まあ俺も怖くなっていたんだけれども。

東国原知事、期待の大臣職巡ってこず 「コメントなし」

 という見出しの通りになって、なんつーか、もうとりあえずは大丈夫だろうかと。
 というわけで、なんだかわからんけど、俺にとって東国原英夫は、「なんか怖い」であって、まあ、世間一般は今回の件ですげえ下がったりすると思うけれども、俺は一人、なんかP.K.ディックの主人公のような気分で、このプチ・ヤンシーあるいはプチ・ストレイター大佐に警戒していこうと思うのでした。おしまい。

俺の政治家観