レイトショーで『劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』を観ること

 『イングロリアス・バスターズ』を観に行ったさいに、「ここでマクロスFの映画やってんのか」ということに気づく。「レイトショーという手もあるのか」と思う。レイトショーに行った。客の入りはよくわからないが、それなりにいるような、いないような。
 総集編的ではない。まったくちがう。だいたいの舞台と人物の設定は一緒だが(たぶんそのだいたいがくせ者なのだろうけれども)、ストーリーは違う。これは妙に心地よい。新劇場版ヱヴァンゲリヲンのように、「これはループではないのか。みなそれぞれ前作の記憶を引きついでいるのでは……」というようなこともない。考えようと思えば考えられるかもしれないが。すべては例の女史のネットワークの中のシミュレートだった、など。
 歌。わざわざ劇場で観るか、と思ったのは、音、音響という面もある。映画館の音量で「もってっけー!」っていうのはいいなと思った。「きーみーは、だれとキッスをすっるー」っていうのもいいな、と思った。後者は完結編におあずけのようだった。キラッ☆もだ。キラッ☆目的で行く人は注意されたい。ボリュームはもっとあってほしかったが、これ以上大きかったら耳が痛くなるのかもしれない。
 俺はどちらかというとシェリルの方が好きなので。
 SFだよな。SFらしさは好きだ。もっと、女史の脳の話をしてもらいたい。
 ルカの出番は悲しいほどなかった。かつてマクロスシティを恐怖のどん底に叩き込んだ例のゴーストも、最初の方に出てきてしまった。
 あと、クラン・クラン! 主役抜擢じゃなかったのか!
 ケーニッヒ・モンスターの活躍はあったので嬉しかった。できることならば、もっとじっくり観たかったくらいだ。ケーニッヒ・モンスターみたいなのが主役機であるところのマクロスが観たい。どんなマクロスか。
 シャロン・アップルの名前が何度か出てきた。菅野よう子はたくさんのCMを手がけているので、いわば本業ともいえる、その遊びも多かった。遊び心大切。
 iPod nanoの中身(iPhoneを音楽プレーヤーとして使う気はない)をぜんぶマクロスFのにすることになるかもしれないな……と、思ったが、それはなかった。まあ、さんざん聴いてきたからというところもある。
 映画用の新しい曲もいくつかあった。でも、たとえば「ライオン」の方がいいな。あと、CDの内容から「アイモ」は聞き飽きてしまった感がある。シェリルの「アイモ」はやけにこぶしを利かせるね。
 となりに坐っていた男が、「お約束」的なシーンでかならず「ブフッ」と笑う。たとえば、シェリルのいかにもなツンデレのところなど。しだいに、「ここでブフいうやろ、な? ……ほら言った」みたな自分内遊びがはじまってしまったが、できることなら野郎の「ブフッ」など聴きたくない。
 上映終わって十一時過ぎのみなとみらい。寒さを覚悟していたが、暖かいくらい。イリミネーションやビルの灯りの下に人もカップルも少なく、それなりに悪くない。
 まあ、そんなところ。完結編もレイトショーで行く。