GIGAZINEの求人に零細企業の涙を見た

なかなか珍しい求人広告? が話題になってて、俺はブックマークにこう書いた。

「同志」を求人募集するのは無理があるような気がする。これはと思った人間に声を掛けるようなやり方じゃなきゃいかんのでは。

 まあ、はっきりいって「ブラック企業」「これはひどい」「やりがい搾取」という気持ちにはならんかった。いや、客観的に見ればそうだし、否定できねえけど、なんというか、俺、これは零細企業を見る目で見た。俺は零細企業に甘い。零細企業ポジショントーク。なぜならば、俺は大企業や中小企業すらまったく知らんからだ。俺が知ってるのは、死にかけた零細企業だけだ。
 それでもって、まったく就職活動もなんにもしたことねーからわかんねーけど、たぶん、10人って頭数は、ちょっともうその、なんつーのか、うーん、「俺とお前と大五郎」というような人間関係では成り立たんように思う。ツーといえばカーと思ったらポーって返ってきたみてえなことになったりして、もう、知れた人間のみで成り立たせるのは難しいレベルじゃねえか、みたいな。いや、組織論とかさーっぱりわからんけど。
 それでもさ、なんかそれなりにスタートからしたら上昇気流みてえな気もするし、あれもこれも行けそうな気がするから、社員増やしたい、やれること増やしたい、みたいなさ。でも、10人の人間、中には「俺とお前と大五郎」ではない人間まで混じってきて、それでその、10人、10人の食い扶持をがっつり維持することの難しさというか。こう、企業にとって人件費ヤバいし。マジで。
 ……って、はっきりいってGIGAZINEのことよくしらねーから(たまにブックマークするなぁ、くらいのイメージ。つーか、会社だったの?)、低く見積りすぎてたら悪いけどさ、こっからその、なんだ、下手したらいろいろの重荷でつらい段階になるかもしれないっていうか、拡張した人件費の重荷があとあと響いてくるとかさ、いや、うちのおやじの会社についてじっさいにあった出来事の話をしてるんだけど! バブル期の拡張と負の遺産! 破綻! で、重ねあわせついでにいえば、記者、編集者、編集長あがりの俺の父親に似てる、この社長!
 というわけで、GIGAZINEの未来は暗いという俺の予想が出たんだけど、それはともかくとして、まあなんだ、なんだな。この世はまったく地獄だというか。つーか、こんなん社員読んでどうなるのかとか、その空気を想像するだけで身震いするわ。
 あと、こんだけの条件見て求人に応募するやつがどんなんだか想像できないというか、つーか、なんかこう、先に「俺とお前と大五郎」関係の相手を探して、それを同志として迎え入れるというか、共闘しようってならなきゃ、望みはかなわねえんじゃねえかというか。そりゃまあ、もしたくさん応募があったら、そんなかには同志になりうる人間もいるかもしれないが、これまたなんだ、どうやって選別すんだよ、みたいな。なにせ条件が条件だからな、みてえな。
 そうだな、あとはなんだ、その、記事っつーものについての、「記事を作るというのは自分自身の全能力が問われるものであり、自分自身の成長なくして良い記事は書けません」みてえなのは、わからんでもねえけど、それを明文化しちまったらなくなってしまうような、そんなものがあるんじゃねえのかとか。それこそ、自分が生き様として見せる、薫育するみてえな、とか。ほら、悪しきスタハノフ運動に陥ってはならないから。でも、そこで条件や目標を明文化できないところに、やっぱり「やりがい搾取」だっけ、それが現れるといえばそうなのだ。
 でも、なんども繰り返し言ってきたけど、ゾンビは簡単には死なない。生きてるつもりだから。そして、そこに夢や希望があったら手に負えない。ゾンビを殺さなきゃいけないと思ってるやつは、人殺しの覚悟でそれにあたれよ。
 ……ああ、なんだっけ。まあ、よくわかんねーや。じゃ、そんなわけでみなさん、それぞれの階級的地獄をそれなりに生きてください。合言葉は「五カ年計画を四年で!」です。おしまい。

関連