『シャガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い〜交錯する夢と前衛〜』
上野の東京藝術大学大学美術館のシャガール展に行ってきた。シャガールといえばマルク・シャガールなわけで、とくに好きということもあるともないとも言えないのは、おそらく同じポンピドーセンターから作品が来てたいつかの『異邦人たちのパリ』展で数点見たか見なかったかくらいだからだろう。
マルク・シャガール。今回の目玉の一つ二つ三つだろうか。我らうっかりして『エッフェル塔の新郎新婦』見過ごして、見過ごしたのに気づいて引き返して事なきをえた。いや、見られたのだから事をえたか。まあどうでもいい。この新郎新婦って、『ちびまる子ちゃん』に出てこなかったっけ。まるちゃんが見て衝撃うけるようなやつ。このニワトリのやる気のなさ(俺がかわいいと感じるものに対して使われる最上級の表現の一つ)ったらない。そして、『墓地の門』。これの妙な雰囲気はいい。色もいい。アロハシャツにしたい(俺が美術作品に対して用いる最大限の称賛)。なんだこれは。やっぱりビッグネームは強いな。
『異邦人たちのパリ 1900-2005 ポンピドー・センター所蔵作品展』国立新美術館 - 関内関外日記(跡地)
……いや、ずいぶん気に入ってるな。そういえば、同行者からも「前もポストカード買ってたし、そうとう好きなのだと思ってた」などと言われたのであった。
さて、展覧会。けっこう混んでいた。混んだなかで絵をみなくてはならないという状況に、貧乏人に生まれてきた不運を嘆く(貧乏人でない=シャガールを買いあさって自宅のワンルームアパートの壁に貼り付けておくレベル)。とはいえ、べつにぎゅうぎゅう詰めでもあるまい、普通に見られるわけだけれども。
で、俺、この展覧会の、シャガール以外についてはどうもピンと来なかった。いや、カンディンスキーの連作小品はよかったが、ロシアの前衛な。でも、マレーヴィチの設計をもとにした建築構造体模型(architecton/アルキテクトン?)はおもしろかった。
というわけで、やっぱりシャガールだろ、ということで、俺の興味は展示室4「シャガール独自の世界へ」がほとんどだった。上昇と下降、円環、シャガールっぽい。ただ、どちらかというと暗め。それがいっそういい。『イカルスの墜落』の村の様子、すばらしい。『空飛ぶアトラージュ』、ニワトリの顔と、右上のふたつのこっちを覗いてる顔がいい。『家族の顕現』、『彼女を巡って』なあ。うん。
というわけで、もう数日前のことでよく憶えていないのだけれども、感想終わり。え、終わりなの。終わるんだよ。