APEC2010横浜〜不穏な空気を愛さないなんて言わないよ絶対〜

 あらゆるものに反対するあらゆるデモ隊が一個の混濁のうねりとなってパシフィコを襲う。あらゆる警備網はすでに破綻し、なすすべはない。しかし、そこに巨大クモ型多脚戦車ラ・マシンに乗った中田前市長が現れ、「やらせはせん!」を連呼しながら圧倒的な力を見せ、ついには自爆して果てる。横浜市民はそこで、ようやくY150が終わったのだと知る。

 俺の中でAPECはとっくに終わっていたのだが、現実界ではヘリコプタがうるさい。あるいは何か見られるかと思い、小径車に乗ってでかける。山手のメーンストリートを通り、港の見える丘公園。「頬を刺す朝の山手通り〜♪」。山手通りではない。公園近くには警察官が多い。不穏な空気を愛さないで。坂を下って山下公園へ。


 こいつは鳩を襲おうとしていた、いまどきにしてはやる気のある猫だった。


 ああ、言うまでもないけど、決定的なものなんて何一つ見られなかった。

 ツインローターのヘリとか、あるいはこれ、写真見て気づいたがアメリカのヘリだ。UNITED STATES OF AMERICAとだけあって、どこの軍ともわからない。

 あるいはPOLICE BANDとあって、どういう意味かと思ったが、よくみると音符のマークが入っていて、そのままの意味のようだ。歌の力でデモを止める!

 PL62はかた。博多から来たのかどうか知らない。その前はPL111れぶん。

 これは民間の船のよう。


 警察官フェチにはたまらない世界。

 なにを「ほらないで」と言っているのか? ここはその種の発展をしている場なのか?

 イチョウ並木。

 みんなだいすきおまわりさん。ちなみに、自分の年下の親戚も動員されているというので、見かけたら声でもかけてやろうかと思ったが(←ものすごく迷惑なパターン)、そういう偶然などあったものではない。

 お国自慢。最初は物珍しいが、だんだん飽きる。ほかに、バラやハトのマークを見た。

 ワールドポーターズ前も封鎖。

 自転車は体格にあったものを選ぶべき。

 臨港パークも封鎖。この外国人はサボっているところ……かどうか。

 観覧車が止まっているというのもなかなか珍しいが、写真に撮ってどうしろと。


 側面にPL66-M3。「しきね」の搭載艇か。秋の横浜によく似合う。


 ジャックモールの方へ買い物へ。高速への入り口もあって、このあたりが本チャンであって、交通規制の緊迫度が違う。

 完全に交通が止めれる。先導のパトカーがけっこうなスピードでカーブを曲がって大名行列。国旗付きの長いリムジン、「今のロシア、ロシア」などとまわりが少し盛り上がる。あんまり前に出ると文句言われそうなので、こんな後ろ姿しか。ロシアのリムジンが見たい方はこちらを↓

 ……横浜は写真ブロガーが多くておちおち出歩けない。

 しかし、このカメラの人たち、車通り過ぎる一瞬を撮るためだけに、ずっと待機してんだな。そんなに必要な映像なのだろうか。絵がなければニュースは作れないのだろうか。それとも、静寂を破るドイツ車とパトカー、サイレン、爆音を待っているの? 不穏な空気を愛さないで♪

 それにしても、体重にあった自転車を選ぶべきである。

 紅葉坂からすごい勢いで転がってくるなにかを警戒。関係ないが、野毛の図書館前の何らかの使徒みたいなオブジェを一年に一回くらい転がす祭りをするべきだと思う。

 集音器を持つ神奈川県警。道行く人々のつぶやきを収集し、即時に解析して異変を察知する。

 わけでもなく、こういう車が来たときのためのもので。

 こんなんする。街宣車の方も、近くに来ると音量を下げる。しかし、今日見かけたのは無音か、静かな語り口のふたつだけであった。ちなみに、左派その他のデモはいっさい見ていない。「なんかやってるだろ」くらいの甘い思いで、デモンストレーションに出会えると思ってはいけない。

 街宣車とか見て、脳内の曲が椎名林檎の「罪と罰」から「加藤隼戦闘隊」にかわったところで、そろそろエリザベス女王杯も近いので帰路。写真の人たちも早くお勤めが終わればいいですね。
 …
 ……

 競馬も終わって洗濯物など干していると、

 急に夕焼け空になったりもしたのだった。

 おしまい。