アニラジ聴けよ、いろいろ捗るぞ


 これが「とある瓦店」に見えてしまう病気。
 というわけで、一昨年くらいからアニメを見始めて、わりかしこの趣味は続いてるといえる。アニメのなにがいいかといえば、基本的に地上波テレビで無料視聴できるということであって、フリーライダーといわれれば返す言葉もないが、流れているのだからしかたないだろうということである。まったくお金を落とさないわけでもなく、いくらかのフィギュアだのメガミマガジンだのサントラCDだのファンブックだのが部屋の中にあることは見なかったことにしよう。
 そういうわけで、遅めの春が来たのか冬が来たのかわからないが、それなりにアマゾンを押下しつつ(やっぱり金つかってんじゃん)楽しんでいるわけではあるが、さてこのごろ手を出し始めた分野がある。アニラジである。

アニラジとは、声優ファン、アニメファン、ゲームファン、漫画ファン、ライトノベルファン(いわゆるおたく)などを聴取者として想定したラジオ番組の俗称。「アニメラジオ」を省略した俗称。

 これである。
 正直に告白すれば、「ラジオまでは」というところがあった。これは認めなくてはならない。なにかしら気恥ずかしいというところもあれば、その先に何かの沼、たとえば声優沼が待ち受けているのではないかという怖さもある。あるいは、これはけっこう大きいのだが、ある放送中のアニメについて、アニメ本編以外からはあまり情報を得たくない、制作側の声をあまり聞かないでおきたい、というところもあった。
 が、きっかけはなんだったろうか。おそらく、俺が愛してやまない『ストライクウィッチーズ』のラジオ、これが復活するというのを目にして、初めて音泉にアクセスしてみたことだったろうか。

 ここで、映画版へ向けた『ストライクウィッチーズ』のラジオが再開された、これである。初回と二回目はサーニャとエイラの人であって、二回目と三回目は坂本さんとミーナさんであった。いかにこの作品といえども、ラジオを聴くのは初めてだったといっていい。
ストライクウィッチーズ スターライトストリームストライクウィッチーズ スターライトストリーム2
 え、これは? これ持ってるじゃん。いや、これはCDだかんな。
 で、でだね、ここからが本題なのだがね、俺はこれを、なんとはなしに、料理をしつつiPhoneで聴いたのだ。音泉iPhoneで聴けるのである。これがなんとなくしっくりきたわけだ。ラジオを聴きつつなにかする、その「なにか」にしっくりきた。べつに音楽でもなんでもいいし、たまにはそうしてきたのだが、なんというのかラジオのほうがしっくりきたのだ。それも、好もしい分野のそれであって、時間も手頃だ。
 「これはもしや?」と思い、それから料理するときにはアニラジを聴く。具体的にいえば音泉の中の知っている番組のもの、あるいはよく知らないがリーネちゃんの声優の人のやつ、などという具合。そして慣れてきたところでさらに、なんらかの家事、というか、俺の大嫌いな部屋の片付けなどをするさいに聴くようにしたのである。
 その結果どうなったかというと、アニラジを聴く=仕事をするというパブロフの犬だかなんだかわからないが、そのような動機付けが成立したのだ。アニラジ単体では前述した理由からあまり聴きたくないところもあった。一方で、料理は苦にならんが他の家事は好もしくない。この二つが、支えあう「人」の漢字のごとバランスをたもち、俺を家事に駆動させるのである。二重の動機付けといっていい。すばらしい。ネット配信なのも、時間を選ばずにいいからありがたい。
 と、以上のようなことにより、いささかアニメ方面への加速感が増している昨今である。その結果、伊藤かな恵という声優さんの背が小さいとか、そのお母さんはさらに小さいとか、下野紘の「紘」の字は「鉱」ではないとか、小見川千明の地声は『それ町』からは想像できないほど甲高いアニメ声だとか(ひょっとしたらラジオ用、なのかもしれないが)、岡田麿里はアニメ脚本以前にアダルトもの、Vシネ、教育物などをやっていて、デビュー作はレズものの「ピー」であること(ノイタミナラジオより。いま配信されているやつ。「アナル」ばかり言っている番組だと思っていたが、アニメ脚本論議に入り込んでたいへんに面白かった)など、とりとめもなくよくわからない知識が増えていっているところである。
 この先、俺がアニメ関連についてどこまで行くのだろうか。……断言していいが、写真趣味、自転車趣味程度のところである。自転車でいえば一番遠くて1日200km、輪行や泊まりがけはしない、というくらい。そのあたり、俺はどうも沼を避ける傾向にあって、中途半端な水たまりばかり作っているといっていい。
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 ところで、アニラジといえば俺がドはまりしたのが、水銀燈のこれである。声優の田中理恵、ミーナ隊長と同じ人が、水銀燈のキャラでラジオをやる、これがすばらしい。絶妙のさじかげん。銀様がネット人気を風靡したのもよくわかる。一日中、投稿者の名前を読み上げたあとの「ありがと」だけを繰りかえし聴いて過ごしてもいいといえる。