俺はどうもアロハシャツなどを見ると買いたくなる癖がある。安ければ安いほどいいし、絵が下手であればあるほどよい。そんな古着をたくさん持っている。
その中の一着がこれである。どこでどう買ったか忘れたが、スリランカ産らしい。スリランカってハワイ? まあいい。これは生地も丈夫だし色もいい。
「でも、ボタンが割れているわよ」
しかし、難がある。何に難があるのかといえば、ボタンである。買ったときにすでに一つが割れていた。割れているくらいならいいやと買った。まあ、若干気にならないでもないが、気にしないことにしていた。
「そう、ボタンが割れているのね」
ところが、最近気づいてみたら、もうひとつボタンが割れているではないか。どうしてボタンが割れるのかよくわからないが、ふたつも割れているというのは少々どころでなく気になるのである。いったいどうしたものだろうか。切り刻んでおしゃれなウェスにしてやろうか。
……と、ふと思い浮かんだのだ、ボタンをぜんぶ替えればいいじゃん、と。すばらしい。弱い上に黒いボタンを、なにか木のボタンなどにしたらかわいいんじゃないだろうか。というか、なんでボタンを替えることを気付かなかったんだろう。
って、たぶん、自分でボタンの付け替えなどができないからである。ボタンが取れたらどうしよう? というのは想定不適格として退けられる。この国でボタンは取れない。これである。が、万が一ということは起こりうる昨今、もしそうなっても人頼みであった。これではよくない。それくらい自分でできるべきだ。
と、しかし、考えてみたら、自分で好きなボタンを付けられるのっておもしろくないか? 飽きてきた服もちょっとイメージチェンジできるかもしれない。あとは、帽子の両脇のところにボタンなどつけて、不必要時に絞れるようにしてもいい。ぜんぜん付ける必要のないところにボタンがついていてもいいだろう。おもしろい、改造だ、悪くないぞ。改造みたいなことは嫌いじゃないんだ。ひょっとしたら俺は手芸に向いているかもしれない。三十数年間生きてきて気づいていなかっただけかもしれない。これが俺の天職で、このブログも手芸ブログになって、そのうち石川町のリセンヌ小路にリサイクル古着屋などオープンさせてJK入れ食いアド街ック天国で紹介されたりするかもしれない。これだ、みんなメモれ、コピれ!
そしてあの頃の僕らはダイソーに走り、針と糸を買ったのである。糸にはいろいろな太さなどがあったが、「ボタンつけ糸」と書いてあったのを買った。必然である(よくわからないが#20というのが太さの単位のようだ)。そして、針の穴に糸を通す必要のない針、これである。上から押しこめば入るという仕様。こんなもの二十年以上前の家庭科の授業では習わなかった。しかしなんだろう、勝手な憶測だが、この針に飛びつくのはぜんぜん裁縫などやってこなかった人間のような気がする。
あとは、さすがはダイソー、木のボタンもメイド・イン・ジャパンで105円。すばらしい。まあ、そもそもこういった手芸品の価格は知らないのだけれども。
というわけで、人生のサクセスの始まりや、今はインターネットがあれば参考書もいらない。レッツ・スタート!
「ボタン穴よりボタンが大きければ、ボタンはとめられないわ」
「バカなのかしら」
「死ぬのかしら」
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おわり