おれは夏バテしている、最悪の事態を考える

 おれは脳に効く薬をいろいろと飲んでいるわりに食欲や性欲に変動がなかったのだけれども(加齢による減衰というものはあるだろうけれども)、ここのところ食欲がない。力が出ない。疲れている。今朝も定時には起床したが、なにも食う気がせずにアイスコーヒー飲みながら、副総統でない方のルドルフ・ヘスの本など読んでいたらわりと時間がすぎて、面倒なので会社に「遅れます」とか連絡を入れたりして、それでもワイドショーなどずるずる見てしまったり。
 それで、テレビ朝日のワイドショーで尖閣諸島の話をしていて、「自分たちのこうなるだろうという予想は、相手にとってまったく通じない」、「アメリカはもはや日本より中国を重視している」、「戦争や紛争は毎年世界のどこかで起きている。最悪の事態を想定しておかなければならない」などと言う。
 最悪の事態というと戦争になるということだろうし、最悪というからには日本vs中国、韓国、台湾、そしてアメリカということになるのだろう。ロシアも敵になるのだろう。この構図で日本が勝つにはどうしようもないような気もするし、打つ手があるとすればドゥーエの空爆理論に基づいて各国本土に生物化学兵器を撒くことくらいだろう(そのための準備をするなら今のうちだろう)。ただ、そんなことをしても効果はないだろうし、火に油だろう。きっとテニアン島から出撃したB-52から実用化されたX-51Aがマッハ5で日本各地に放たれてあっという間に怪人とキスもとい灰燼と帰すだろう。
 横浜のこのあたりなども灰になるかもしれないが、中華街などもあって意外と爆撃はされないかもしれない。ただ、土人たる日本人は拡大された寿町ゲットー、吉田新田全域くらいに押し込められるだろうし、山手本通りの豪邸なども中国人とアメリカ人によって占められるだろう(今もそうかもしれない)。
 寿町ゲットーには「働けば自由になる」とか標語が掲げられ、強制労働させられるのだろう。ただ、何を労働するのか? よくわからない。おれなどは肉体労働に向かないし、特殊技能もないし、英語も中国語も喋れないし、労働意欲もない。おまけに精神病者無政府主義者だし右翼かもしれない。これは「虱を退治するから」って言われて、裸で横浜文化体育館に連れて行かれるパターンだろう。裸で横浜文化体育館に連れて行かれて、「文化」されるのだろう。
 おれはテレビのワイドショーがそう言うので、最悪の事態を想像しながら自転車を漕いで会社に来た。横浜スタジアムの上空を見上げれば、真っ青な空に飛行船。