『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を朝8時から見てきたこと

【ネタバレ注意】
Do not read this entry before watching the movie.


 金曜ロードショーでさ! 『破』とテレビ版『Q』冒頭見て、うわー、すげー続き続き! ってなって、もう土曜の朝一でって思ったんだけど、仕事で行けなくて、それで、ともかく情報遮断、警戒、警戒、警戒(会議中に批判演説が始まったベリヤの気持ち級)ってなって、土曜の職場ですら最初いつものFMじゃなくてCDかけてたくらいなんだけど、お前、宇多田ヒカル新曲ってヱヴァ絡みって、意外なところから不意打ち食らって、おれにとってはそれすらすげえネタバレ食らったような気になって(「Beautiful World」の新アレンジかな? とか想像してたの吹っ飛ぶわけじゃん)、このままじゃ身体中に経文書いてもネタバレに襲われると(まあネットに繋がんわけにはいかんし)、日曜朝一というところで手を打って映画館行った! 朝8時! 予約入れたときはたいしたことないと思ってたけど、想像以上に早い! 普段、9時半+30分くらいで出勤してるおれには早い! でも行った! 偉い!
 それで観た! くそったれ早い! 開始時刻じゃねえ、体感時間だ! 「え、もう終わり!」って具合だ! それでなんだ、このくそ急展開、置いてけぼりにされるおれ、そしてシンジ君! すばらしい『トップをねらえ2!』みたいななんらかの印象! トウジの妹が沢城みゆきってぜんぜんわかんなかった(ちょっと前、どっかのラジオで「ネイティブでなくては関西弁はできない、標準語に比べると、あれはピアノでいえば黒鍵云々」って言ってたのは、この案件からかとパンフレット読んで)! 弾けてるアスカに波長が合ってるかのような真希波! 黒いアヤナミレイ(仮)! こんな世界でもNHKは受信料を徴収するのかと思ったら、表札だけか! 冬月先生、将棋は打つもんじゃない、指すもんだ! あと31手で詰むってわかるくらいの棋力あるのに! 写真に写ってたのは真希波さん!?そんで、キール・ローレンツみたいなおしゃれ眼鏡になってるゲンドウ君! で、あっさりと電源オフされて納得風のゼーレの板の人たち! ゲンドウ君のやりたいことと一致してるの? 呪縛で歳をとらないって設定はどうなんだ! ええ? それで、またなんか騙されるカヲル君、はじめて狼狽そしてまたああなっちゃう! でもって、ラストシーンは、あれは汚染されすぎていてって、彼らはなにか別物で、ゲンドウくんはわれらリリン
 つーか、『破』でなんかブッ刺さって、つーか、カヲル君が止めたんじゃねえの、なんとかインパクト! それとも、あれがもうニアーなわけで、そんで人類みんなアレになって、もう黒い月みたいななにか? いや、14年間、たぶん、その間にもう一回なんかあったんだろ。違うか? 違わんだろ。葛城大佐やリっちゃん隊員やらがヴィレ? 設立(もしくは移籍?)、ヴンダー(最初「ブッダー(仏陀)」に聞こえた。そのせいで、第13号機の手が増えたのが阿修羅像に見えたり、カヲル君が「縁」とか言ったのが仏教っぽく聞こえたりする)建造……? その過程? ペンペンは?
 『序』、『破』の流れだったら、『Q』はその過程やりそうなところ、一気に飛ばすもんなぁ、たまげたなぁ。ひっくり返されたなぁ。でも、わりとテレビ版の第弐拾四話っぽいしなぁ。最初の方で、ミサトさんやらなにやらから、さんざん冷たくされた感じ(……しかし、世界崩壊の原因になったのがシンジ君だとしてもちょっと冷たすぎる。たとえば、綾波と世界を秤に掛けてそれで綾波を取ってああなった結果とどっかで知ったのだとしても……とか。しかし、その点でシンジくんはお父さんの目的って、まあ旧版の目的に似ちゃってる点はあるけど)とか、最終話の一部っぽいしなぁ。それで、またもういろいろエヴァ用語突っ込んできて謎盛りだくさんにしちゃって、「つづく」もんなぁ。
 って、わりとひっくり返ってってところで、そういや「そもそも四部作だけど最後の二つはいっぺんにやるよ」ってなってたから、ひょっとして「その14年間」をあとから見せるみたいな、そんなん? というのも、すげえ夢中になって観たから時間が早く過ぎた感もあるけど、なんちゅうのか、なんかわりと、うまく言えないけど、そりゃなんかEOEやら旧版を思わせる要素をぶっ込んで来たわりには、なんか抜いてる、薄めって印象も……あんだなー。サーッとやりやがったな、というか、密度というか、いや、呆気にとられてた時間(空中戦艦!? パラレル・ワールド? みたいな)がありすぎたせいか、ようわからん……。どっち行くんだ? 
 と、こうなると半信半疑というか、そりゃもう疑ってるってことだろうって絶望先生が言ってたけど、大団円的おさまりを期待できるのかどうか、みたいな。また、「破綻」(←この文字がもう「碇」っぽいもんね)すんじゃねえかとか。最初からさんざん言われてるループもあろうが、こりゃまたその、心象世界ものに持っていかれてもおかしくはない。もちろん、(NOT)からくる分岐がどうたらとか、まあそんなこと考えるモヤモヤの楽しいことといったらない。いや、「考える」っても、そんなに詳しくねえから、人の考察っつーか、人々の考察を読むことな。
 つーか、やっぱその、最初に書いたとおり、『エヴァ』(に次は戻るしな)には、先になにが起こるかわかんねーっていう、未知の感じがすげえよくて、そりゃもう、ある方面から見りゃ一本道だ、理路に適ってるっていう自信満々の見解が何万本も提出されるような、そんなとこあって、ネタバレ見たくねえし、『Q』の予告もあのピアノのCGだけで十分ですってくらいだけど、やっぱり次回予告気になりますみたいな、知りたいと知りたくないの行ったり来たりみたいな、ねえ。
 で、おれはなんかね、その碇シンジくんのね、少年の(非)成長譚みたいなところってので一本筋が通ってて、キリスト教とかなんたらのそういう思わせぶりな「謎」みたいなところでも、これは単なる視聴者に勝手に考えさせてるだけのまったくのデタラメというわけでなく(そういう部分もあるだろうが)、なにかしら筋はあって通ってると、そうは思っている。そんなもんないよ、と制作者が言おうと、まあたぶん庵野秀明総監督の中ではかっちりあんじゃねえかと思うのよ、彼の神話世界が。で、それがなんなのかわからんが、そうでなくては、ここまで大勢の人間の興味を、これだけ長期間にわたってひきつづけることはねえだろうというような……。いや、「そうでなくてはここまで人気出ないだろう、話題にならんだろう」と信じてしまうところがでかい落とし穴かもしらんが、いいやはまった方が面白い穴ならはまってやろうというような。それが思う壺でもいいんだ、くらいの。
 というわけで、もう一回くらいは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の落とし穴にはまってくるので、それじゃ。

関連★☆☆☆☆

……しかし、『新劇』開始からも5年とか経ってるのな……。

……『巨神兵東京に現る』は「特撮博物館」で見ていた。あれ、犬もキノコ雲もCGじゃないんだぜ! あと、あんまり特撮にはくわしくないけど、テレビの『破』見てて、「なんかわざと特撮っぽいのかな?」って思ったりとかはした。『Q』はそれどころじゃないけど。
 
★☆☆☆☆映画メモ
今年映画館で見た映画は、
『恋の罪』『ヒミズ』『国道20号線』『サウダーヂ』『天皇ごっこ 見沢知廉たった一人の革命』『劇場版ストライクウィッチーズ』もう一回『劇場版ストライクウィッチーズ』『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(舞台挨拶つき)『トータル・リコール』『アイアン・スカイ』『魔法少女まどか☆マギカ 前編』『魔法少女まどか☆マギカ 後編』『希望の国』についで15本目。今日の予告で園子温『地獄でなぜ悪い』が流れてて、どんなんかしらんかったで調べたらエンタテインメント(?)らしい。『希望の国』はジャック&ベティでもやるので、待ってもよかったかもしれない、雰囲気的にブルクで観るよりは。