なにが原因か結果かすらわからない


 正月休み明けからボンヤリしている。脳味噌の中に脳味噌が詰まってるみたいだ。よくわからない。なにかをする気というのが乏しい。膜があって眠いようにも思う。正月ボケといってしまえばそれまでかもしれない。少し長めの休みだったので、おれは「こんなに休んでいて食っていけるのか」という極端な不安の中、それでもきちんと昼夜逆転の生活を送り、リズムは大きく崩れた。それを元に戻すのだから、正月ボケになってもおかしくはない。ただ、おれには元から睡眠に欠陥があって、睡眠時に矯正器具をつけなければ日中いきなりシャットダウンする。少し喉に痰が絡んでいたり、鼻づまりがあったりすると、とうぜん悪影響はある。もちろん、脳に欠陥があって、いろいろの薬を飲んでいる。飲まなければ言いようのない不安心と動悸で朝、靴を履くことも億劫だ。今もまさにひどく億劫なので、脳の方で混乱があるかもしれない。また、この一年か二年か胃や腸が弱くなった。具体的に言うと、唐辛子絡みの辛いものを食うとほぼ100%腹を下す。また、日ごろ食べていないもの、食べないくらいの量を食うと体調を崩す。正月休み最後の日、親戚のぼんやりとした集まりに行ってみたら、人数も少なく、おれは「残したらもったいない」という強迫観念で黙黙と寿司やらなんやらを食った。そのせいで人体のエネルギーというものがあるとしたら、それが胃腸の方に向かってしまって意識を鈍らせているのかもしれない。もちろん、冬の寒さというものは人の朝を億劫にさせるものだし、そういう影響もあるだろう。そしてまた、こうやって因果を探ろうとすることが、原因を知って安心を得ようとすることも悪影響だろう。いずれにせよ、年末ジャンボ宝くじは当たらず、ナターレは逃げ切れず、いいことはどこにもない。いいことがどこにもない。そして、ますます増してくるのは自分のようなものがいいことを望むこと自体が罪であるというような観念であって、それはあまり根拠がないのだが、これはすごく長い間おれの中で固まっていた結晶のような気もする。ともすればよいこと、成功体験のようなものを記憶できないことも、原因か結果かわからないが存在していて、いかにも悪い方、悪い方へ向かうしかないのは目に見えているが、それに棹さして踏みとどまる気力というものもない。そもそもおれに気力というものはない。原因か結果かわからない。脳がおかしい。治しようもない。おれには勉強する気もないし、人一倍働く気もない。当たりのないくじを引くのも億劫になってくる。すべてうんざりしている。まったく、世界はうんざりしている。