タロットカードを買う、そして作りたくなるのこと

 イタロ・カルヴィーノの『宿命の交わる城』という本を借りた。なにかこう、タロットを元にしてどうこうしている小説らしい。フィリップ・K・ディックが『高い城の男』を卦で書いたのと似たようなものだろうか。
 そして、よくわからないがおれはタロットカードが欲しくなったのだった。最近、アニメ版の影響から『ストーンオーシャン』全巻一気読みして、ちょっと第三部のことを思い出したというのもある。「占い食堂エイラにお任せ」の影響もある。でも、そんなのどこに売ってるんだ? Amazonならね。

The Rider Tarot Deck

The Rider Tarot Deck

 これがどうも定番の一つらしい。おれはこれを買うことにした。でも、占い方がわからない。「占い食堂エイラにお任せ」を聴く分には、適当に引いて適当に解釈して適当にガチャ切りすればいいような気もするが、せっかくなので『宿命の交わる城』の解説を書いている鏡リュウジという人の本を買うことにした。
はじめてのタロット

はじめてのタロット

 この本に大アルカナ(すなわちジョジョの第三部に出てくるようなメジャーなカード)が、少し死体を劇団カレーにして新潟で煮てボディを透明にした(←ボケすぎて元がわかりにくい)に似ている、可愛らしく、やや怖さを秘めたカードがついていたので、べつに上のは買う必要がなかった。あ、でも、ほら、そのうち本格的な占い師になって、有吉先生に進路相談しそうな芸能人とかにとりついて豪遊とかしたい。
 まあ、本音のところでは、タロットの象徴と物語の構成だとか、そういうところに興味があるというのもある。また、自分の運勢を占ってみたいというところもある。というか、買う動機いっぱいありすぎるし、これは買うことになっていたのだろう。たぶん。


 そしておれは心を落ち着かせて、WBCの台湾戦を見ながら我が身を占ってみた。上のように出た。どう解釈するかはしらない。それほど悪くないような気もする。
 さらに言えば、当たるといってもいい。「こっくりさんこっくりさん、今日のWBCはどうなりますか?」と言って一枚引いたら、ラヴァーズの逆位置が出たのだ(適当におれのツイッターのログを漁ってくれ/ちなみに鏡先生は逆位置を採用しない)。ツイートで「内海か」と書いたのは「杉内」との取り違えだが、まあジャイアンツの選手の名前なぞどうでもいい。が、ともかく東スポ一面で「杉内不倫大波紋」と、なにやらジョジョとも絡んできそうな当人が投げて試合を終わらせたのだから、これ以上の正確なカードはないといえよう。
 というわけで、わりと面白いものを買ったという気になった。もうペイしているという気分だ。そして、いつだかどっかのネタサイトでやっていた、オリジナル・タロットというのにも挑戦してみたい。それは以下の13種類のカードからなる。

  1. ラーメンが獣臭い
  2. いいおじいさん
  3. 謎の白い液体
  4. 人生をかけている
  5. こち亀みてえだな
  6. おまえ平田だろ?
  7. この国は認識が甘い
  8. パンツじゃないから
  9. 恥ずかしくないもん
  10. 下から目線
  11. 加速するブルース
  12. ウシジマくんみてえだ
  13. 改まるまで入れるヨ

 ……どうやっても悪い方へと導かれるようだ。悪くない。