老いか薬か病気のせいか

 このところもの忘れとかが異様に多い。家にiPhoneだの財布だのハンカチだの忘れて出てきたり、エアコンが付けっぱなしだったり、鍵をかけるのを完全にわすれていたり。それからよく転んだり、ものにぶつかったりするようになった。シャワーから出て裸で派手に転んだときはあせった。
 もとからそそっかしい人間、ではあった。ただ、やけに回数が増えている。しかし、もとからそそっかしい人間、ではあったが、一方で「ストーブがつけっぱなしじゃなかったか?」、「鍵は?」などというそうとうに強い強迫観念みたいなものも同居していた。もう一歩か二歩くらいで、家を出るのが困難になるレベルかというような。強迫性障害の診断も一応受けたくらいだ。
 で、最近のこと。よくわからない。おれももう三十半ばだし、脳も身体も衰え始めているのはたしかだろう。それゆえにもの忘れをする。仕事の画像処理のあたりまえの過程を一つすっ飛ばしたりする。ありがちな話だ。それだったら、この世の人間のおおよそにとって「普通」のことだ。
 ただ、薬と病気という可能性がある。おれは5種類ほど脳に作用する薬を飲んでいて、その全てが「車運転するなよ」系のものだ。車は運転しないが、まあ注意力の低下というやつだろう。それが効き過ぎて、「忘れ物はないだろうか?」といった、不安というには弱いが、「気にする」、「注意する」といった、本来ちょっとは必要なところまでカットしてしまっている可能性はある。
 薬の副作用、でないとすれば、病気の悪化だろうが、なんの病気だよ? というところもあってよくわからない。ともかく、ここのところの話として、メモしておく。