ジェイムズ・エルロイ『アメリカン・タブロイド』を読んだ衝撃

アメリカン・タブロイド〈上〉 (文春文庫)

アメリカン・タブロイド〈上〉 (文春文庫)

アメリカン・タブロイド〈下〉 (文春文庫)

アメリカン・タブロイド〈下〉 (文春文庫)

 おれのなかのノワール感がエルロイを読めと言う。長く見てみぬふりをしてきた「アンダーワールドU.S.A.シリーズ」に手を出すことにする。その冒頭が『アメリカン・タブロイド』だ。読み始めてしばらくすると、ミニマムでバイオレンス、そして美しくさえあるエルロイ節がガンガン脳に効いてきて、日記の文章もおかしくなるくらいだ。さすがはエルロイ、そう、このピッグス湾の描写! おれはこいつが好きでならない。チェーンソー!
 ……ん?

 俺はノワールやハードボイルドというジャンル自体について詳しくないが、エルロイは大好きだ。『ブラック・ダリア』、『L.A.コンフィデンシャル』、『ビッグ・ノーウェア』、『ホワイト・ジャズ』の四部作と来て、『我が母なる暗黒』。遡ってロイド・ホプキンズシリーズに、『アメリカン・タブロイド』(タイトルは思わず列挙してしまうほどかっこいい)。そして、今回初めて中短篇に触れてみた。

『ハリウッド・ノクターン』ジェイムズ・エルロイ/田村義進訳 - 関内関外日記(跡地)

 ファッ? 『アメリカン・タブロイド』、読んでたって書いてる! え、誰だよ。おれか! すげえびっくりした。上の日記は2005年。読んだとすればそれ以前。Wikipediaによると1995年の作品(翻訳出版された年かわからんが)。そりゃ読んでてもおかしくはねえよ。でも、おれは新鮮な気持ちで読んだんだぜ。マジか! ここまで忘れられるものか! くそ、目次で「ピッグス湾」って目にしたときは、中編か短編でそこを描いてて、別に読んでたと思ってたんだ。ちくしょう。
 ……つーわけで、おれはジミー・ホッファに釘バットでぶん殴られたくらいショックを受けた。モルモン教徒の血を輸血してもらいたいくらいだ。まったく。
 まあいい、たとい再読といえどもジェイムズ・エルロイはすばらしい。エルロイの『アメリカン・タブロイド』はすばらしい。そしておれは、次に、『アメリカン・デス・トリップ』へ、そして『アンダーワールドUSA』に進むって決まってんだ。絶対だぜ。
>゜))彡>゜))彡>゜))彡

クライム・ウェイブ

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獣どもの街 (文春文庫)

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↑この二冊は積ん読状態になってるのはわかってるんだが……。