『図説世界の「最悪」航空機大全』を読む

図説世界の「最悪」航空機大全

図説世界の「最悪」航空機大全

 ここに選んだすべての飛行機は、愛するがゆえに生み出されたものだ。作った人の夢であり、人生において多くの金銭と努力を費やしてきた。大勢の人が、財産や才能ある人物の経歴、そして乗組員の命が無駄にされるのを目撃してきた。挑戦したがゆえに失敗した人を攻撃するのはもちろん本意ではない。今まで飛ぶ機械を設計したこともない私としては、ここに取り上げた、空を悠々と飛べなかった数多くの航空機に対して、いくぶんのおかしみを感じてもらえればありがたいと思っている。
「はじめに」

 おれはどちらかというと珍妙なものを好む。航空機であれば「それが、飛ぶのか?」といったものを好む。技術革新の端境期にあってひょっこり生み出されたりした異端のものを好む。みんな好きなんじゃねえか、おもしれえんじゃねえか、と思うくらいに好む。
 とはいえ、のめり込むようなマニアというわけじゃあない。でも、こんな本を手にとってみればおもしろくてたまらない。気になったやつに付箋を貼っていったらたいそう消費することになった。それで、日記に気になったやつの写真や動画を貼っていこうかと思ったが、面倒なので先刻はてなブックマークで済ませた。それをツイッターに流したもののまとめが以下だ。

 関係ないつぶやきも混じってはいるが。しかしなんだろう、どうやって飛ぶのがいいのかというレベルで、複葉機や三葉機の他に五葉機(フォッカーV8)があったのかとか、それよりもっとたくさんのがあったり(ホレイショ・フィリップスの飛行機だったり、宮崎駿風立ちぬ』でおなじみのカプロニCA.60ノビプラーノだったり)。あるいは、プロペラ機からジェット機への端境期の水上ジェット機なんていうものは、前から知っていたり(夜歩く写真を撮る - 関内関外日記(跡地))、VTOLの試作はみな妙なことになっていたり、やたらでかい飛行機への野望が溢れていたり、なんつーか、おもしれえ。
 もちろん、桜花であったりバッヘムBA349ナッターであったり、とても「愛するがゆえに生み出されたもの」とは呼べないものもあるんだけどな。それこそ、軍用機はすべて宮崎駿風立ちぬ』のあるんだかないんだかのジレンマはあるわけだが。
 しかし、着陸方法考えたのか? というような試作機に乗るテストパイロットってのはたいへんだな。いや、そういうレベルじゃなくても事故の危険の可能性は大きいのだろうが。ただまあ、「ライト兄弟に始まる」(稲垣足穂)以前のあたりとか、そのあたりで開発者自らが乗って命を落とす、あたりもなんというか、悪くないというと変だけれども。
 まあそんなんで、おれはこの本が気に入ったし、まあそんだけなんだけど。そんで、この手の本は他にもあるようだし、こんなん集めた動画集というかDVDとかもあったりしたら見てみたいと思ったりはするのだった。おしまい。