- 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,田村義進
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/08
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極端に切り詰められた文体。間に書簡、通話記録、盗聴記録、新聞の大見出し小見出しの入るスタイル。地の文に接続詞はほとんどない。日本語にして読点は少なく句点だらけ。「そして」、も「だから」も、「しかし」もない。ただそこにそうあるように投げ出された「もの」の、「こと」の羅列。スタッカート。だが、炙りだされるものは単純ではない。愛憎がある。老いがある。悲しみがある。おれはエルロイを愛している。
アメリカ人がこれをどのように読むのか知らぬ。世代によっても違う。おれはWikipediaをたまに見て、なにが現実とされていることか知る。実在の人物とそうでない人物を知る。アメリカの歴史の一部をわかったような気になる。小学生の教科書にすればいい。歴史の。文章の。内容の真実味? ダラスは遠い。実際に起こらなかったことも歴史のうちだ。暗黒の司馬遼太郎。おれはすぐに『アンダーワールドUSA』にとりかかる。
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