ちくわパン・ブルース


 コンビニの棚に「ちくわパン」。「ちくわにパン? 気が狂ってるのか?」。思わず手に取る。昼飯時のコンビニ、戻すに戻せなくなる。おれは「ちくわパン」を買う。
 「ちくわパン」、思いのほか悪くはなかった。最低の想像に比べれば。ちくわに挟まれたツナマヨが味を作っていた。ちくわは噛みごたえを担当していた。ツナマヨサンドを食った印象が近い。しかし、ちくわにパン。そんなことがありうるのか。そんなことがありうる地方がこの日本のどこかにはあるのか。
 おれはGoogleに答えを求めた。検索結果が表示される。おれは恐ろしいことに気づいた。戦慄。おれはこれを知っている。

 はい、前にフジパンの「ちくわパン」食ったことありましたー。さっき、解剖台の上でこうもり傘をけつの穴にブチ込まれるくらい奇妙な組み合わせだと思った「ちくわパン」、食ったことありましたー。その上、日記にまで書いてる。フジパンをディスってる。正気なのはフジパンだ。おれは正気じゃない。こんなときに言うべき言葉は「ちくわしか持ってねえ」だろうか。知った話か。