パパプロドロモー師と3人のヤギどろぼう

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「しめしめ、これでヤギはおれたちのものだぞ」

と、どろぼうの親方ピックル・パックルはいいました。

「こんやは、ヤギなべパーティーだ」と、ポラパッチ・ピピラッチ。

「おさけもたらふく飲んでやろう」とピンチョン・パンチョン。

3人はウッキウキのきぶんで2匹のヤギをつれて夜道を帰っていきました。

 

……

しかし、パパプロドロモー師には、そんなことおみとおしだったのです。

「せっかくそだてたヤギを人からぬすむなんて、とんでもないことじゃ」

水晶玉にうつる3人組を見ながらそういうと、まほうのつえを頭のうえで3回まわして、おまじないの言葉をとなえました。

「アンパラ、ウンパラ、インペラチーブ、アンパラ、ウンパラ、インペラチーブ!」

 

……

「やや、これはどういうことだ」

親方のピックル・パックルは、おもわずヤギをつないでいた縄を手放しそうになりました。ヤギは親方の体の3倍もあるゴリラになっていたのです。

「ひえっ、親方、これはたいへんですよ、早くにげましょう」とポラパッチ・ピピラッチ。

「それがいい、それがいい、きっとまほう使いの仕業にちがいない」とピンチョン・パンチョン。

「ええい、おくびょう者め! わしはこんなことには動じんのだぞ!」とピックル・パックル、しかし、必死に抵抗しますが、自分の体よりも3倍も背の高いゴリラになってしまったヤギは座り込んで動こうとしません。

 

……

こうして3人はゴリラのうんちまみれになって、ほうほうの体でアジトに逃げ帰りました。ヤギどろぼうはもうこりごりです。

 

……

草むしりのために使われていたヤギは、あたりの雑草がすっかりなくなってしまうと、ヤギラーメンにされてみなにふるまわれてしましました。狡兎死して走狗烹らるとはこのことですね。

おしまい。