- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2013/10/02
- メディア: Blu-ray
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でもまあ、野球映画である。優雅で感傷的なアメリカ野球? そう言えるかどうかわからない。データ全盛(そのデータというものの取り扱い方も日進月歩しているらしいが)の現代、自らの足と目と耳で選手を見極める老スカウト、弁護士の娘、肩を壊して引退した若い元速球投手……もうなんかそれだけでなんとかなりそうだし、なんとかなったなという感じ。
原題は"Trouble with the Curve"。あいつはカーブにバットが泳ぐ。あるいは人生の曲がり角に困難がある。それとも、カーブで自動車事故を起こす。おそらくそのトリプル・ミーニング。これを『人生の特等席』とする。さてどうだ。うーん、原題を活かすのは難しいか。あるいは、野球映画を全面に出して「野球なんて興味ない」という客を逃すこともある、そんなところだろうか。
それにしても、カーブに泳ぐあいつ。あいつの野球人生はどうなるのだろう。よくて3A止まりという感じがする。それでも、あっさり辞めて故郷に帰りにくいところもあるだろう。いったん、台湾か韓国あたりに行くかもしれない。そこでそこそこの長距離打者として成績を残して、日本に来る。ただ、年俸は二千万くらいで、出来高込みで五千万とかそのあたり。もっと打つ主砲がいて、そのバックアップくらい。でも、日本野球をなめちゃいけない。アメリカとはまた違った攻め方をしてくる。速球派もいないではないが、アメリカに比べたらほとんど軟投派みたいなものだろう。打率.233 7本 21打点くらいで一年でお帰りみたいなことになるかもしれない。やや悲観的だろうか。ひょっとしたら、アジアくんだりまで来て野球に打ち込むうちに、野球に対する姿勢が変わるかもしれない。そこに、現役時代首位打者を獲得したことのあるような技巧派の日本人コーチがついて、変化球対策を教えこまれて、持ち前のパワーと勝負強さと相まって二冠王、というルートもありえないわけじゃあない。よし、『人生の特等席2』はそれで行こう。え、2ないの? まあいいや、おしまい。