ばらスィー『苺ましまろ』1〜7巻を読む

 何年遅れかわからぬが「かわいいは正義」に目覚めたので原作に手を出した。1冊1冊を手に取ると薄く感じるのだが、思いのほか読み応えがあった。Wikipediaに「ダウンタウンの影響」云々あったが、なるほどそういうところもある。読んでいて呼吸が苦しくなることもあった。
 しかしなんだろうか、このかわいさは。1巻からすげえな、という。そりゃまあ絵柄は変化するけれども、最初からほぼ完成形に近いように思えた。たとえば、年月は違えど『あずまんが大王』(旧版、というのかな?)と最新の『よつばと!』にある差というものがあまり感じられないと思えた。
 フェティッシュというのだろうか、なんというのだろうか。いろいろの少女趣味というものもあるのだろうけれど、リアルに見えるようなかわいさを突き詰めたところにこれがあるのか、という気になった。決してこれをリアルと言うことはできない。おれはリアルがなにかというほど女子小学生の生態をしらない。タバコと酒をたしなみ美少女をはべらせる女子高校生の生態もしらない(そんなものがこの世に存在するのかしらない)。とはいえ、線の説得力、素っ頓狂な話の飛び方、ギャグ漫画的でありながら、どこかリアルな感じがある。リアルという言葉はしっくりこないが、うまいことハマっているように思える。
 絵柄などについては、はじまりが2001年なのだから、時代の先を行っていたんじゃないのかというような気もするが、おれがアニメなどを見始めたのは2010年代なのだからよくわからない。アニメの方も間のとり方や背景音の使い方など好きだが、さて今につながっているのかどうかもわからない。
 よくわからないといえば、漫画『苺ましまろ』がどうなっているかということだ。情報としてはネットで検索していくらかはわかる。たまに掲載されるがページが少なかったりする。とはいえ、続いてはいる。雑誌にとって、読者にとってどういう位置づけなのか。おれにはよくわからない。知る必要もない。とはいえ、8巻が出たらそりゃあ買うだろう、というくらいだ。たぶん、8巻が出るとしたら、ネットでどこかがざわつくだろう。あるいはAmazonがレコメンドしてくれる。2001年にはAmazonもなかった。と、思ったらアマゾンジャパンは1998年に設立されていた。特にオチはない。おしまい。