オルダス・ハクスリー『永遠の哲学』を読む

永遠の哲学―究極のリアリティ (mind books)

永遠の哲学―究極のリアリティ (mind books)

自己とは何かを深く問い、究極のリアリティの直接体験をめざした「永遠の哲学者」達。本書は、古今東西の神秘思想家の心に残る章句をテーマごとに集め、ハクスレー自身の解説を加えた珠玉の箴言集である。

 ……と、表紙にあった。が、なんというか「あ、おれそれ仏教系の本で読んだわ」みたいなことも多く、古今東西といってもエックハルトばかりじゃんとか思い、なんというか適当に読んだ。したら、訳者あとがきにこんなこと書いてあった。

 原書Perennial Phiosophyはかつて深澤正策氏の訳で『久遠の真理』と題されて三笠書房から刊行された。一九五一年のことである。同訳書には鈴木大拙氏が序文を寄せていて、この本を読むことによって「若い人達は、東洋心理の奥に自然そのものと融合せんとする華厳思想の深きもののあることを感得して欲しい」と述べ、精神の欧米化に「待った!」をかけている。

 だってさ。ふーん、禅でもなく、真宗でもなく、華厳なのか。すこし興味深い。でもまあいいか。なんだったら鈴木大拙の本の一冊でも読めばいい。まあ、たとえば「十牛図」の解釈の仕方が本書だとスタンダードな解説のそれとはまったく異なっていて、西洋人から見たらそうなの? みたいなところもあったりだが、ま、いいや、おしまい。というか、ハクスリー、『すばらしき新世界』を読んでないというところが問題か。それはまた今度。