あれ、おれの記憶とちょっと違う 『太陽を盗んだ男』

 

太陽を盗んだ男 [DVD]

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廃ビルの屋上、給水塔、仰向けになって、大の字になって寝る男、爆弾。そんな記憶がある。中学生か高校生の頃、深夜映画で見た古い邦画のワンシーン。おれは長いことそれを『太陽を盗んだ男』だと思っていた。あらためて観てみた。……おれの記憶どおりのシーンが出てこない。ただ、近いシーンは出てきた。デパートの屋上で大の字になる……菅原文太

沢田研二さんはこのあたりにお住いで、よくご夫婦で買い物されているのを見かけますよ」と不動産屋の案内役は言った。おれはいまだにこのあたりでジュリーを見かけたことはない。

太陽を盗んだ男』。ウィキペディア先生にはこうある。

原題は「The Kid Who Robbed Japan」で、日本語に訳したときに"Kid"にあたるいい日本語訳がなかったため「笑う原爆」というタイトルを予定していたが、東宝サイドが映倫の許可が下りないと難色を示したため、準備稿の段階ではひとまず「日本 対 俺」という仮題で製作を進め、「プルトニウム・ラブ」「日本を盗んだ男」とタイトルが転々と変わり、最終的に監督が原題をもじって「太陽を盗んだ男」とした

いろいろとアイディアが転々とするとよくない結果になることがあるのは往々にしてあるが、これは良かったんじゃないのか。『太陽を盗んだ男』。かっこいい。沢田研二、かっこいい。菅原文太もかっこいい。

どこがかっこいいのか?

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たとえば、沢田研二が原爆完成に成功して踊るところとかだよ。

ずいぶんに挑発的な映画であると思った。タブーに切り込んでいるようなところがある。すごかったな、邦画、と思った。いまでもすごい邦画はあるのかもしれないが、なんというか、この突き抜け方はない。たとえば、『天空の蜂』なんていうのは、悪くはないが、おとなしいものだ。 狂気や虚無がない。ぶち抜けてない。もっとも、それが時代性なのかどうかは知らない。『太陽を盗んだ男』が突出している作品、ということはあるのだろう。おれはそう思った。どこか、子供のころ見た『西部警察』のカーチェイスを思い起こすようなシーンを見ながら、そう思った。

と、あとはどうでもいいような話。

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森達也

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この人か!

あと、「あ、この曲エヴァンゲリオンで聴いたやつや」というのがあった。ウィキペディアにも書いてある。そんなところか。

以上。