RIZIN感想

 29日の感想は上に書いたとおりである。ところで、このRIZINは(このスペリングきらい)は定期イベントにするらしいが、今回のは「RIZIN-1」なのか「RIZIN 2015」なのか……、と思ったら。「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYS」だった。

 気になった試合の感想を書いてこう。ちなみにおれは地上波からK-1総合格闘技がなくなったらなくなったで深追いをしなかったミーハーで素人。現在の世界のMMAの中心がどこにあるかとか、どういうレベルにあるのかなんて、まるで知りませーん。

RENA vs イリアーナ・ヴァレンティー

 たぶん女性の総合格闘技の試合を見るのははじめて。お互いシュートボクシングとキックボクシングの人で、投げあるぶんRENAという人有利かなとか思ってみていたら、なんと跳びつき腕十字の決着。シュートボクシング愛もなんか見ていてよかったので、応援したい。

武尊 vs ヤン・ミン

 武尊さんはうっすらと名前を見たことがあるかどうか。というかK-1がどうなっているのかどうかもようわからない……。対するヤン・ミンさんも中国のベルトハンターだかなんだかだが、戦績不明だし、なんだかわからんという感じ。が、ヤン・ミンさんわりと強い。少なくともこのマッチは成り立っている。そう思った。思っていたら武尊さんがスカッとノックアウト勝ち。なんか試合中笑ってるし、「軽量級でも」という有言実行もするし、嫌いじゃないなあ。

ギャビ・ガルシア vs レイディー・タパ

 なんかもう笑ってしまった。笑ったら失礼かもしらんが、そのくらいギャビ・ガルシアの筋肉がすごい(ナチュラルかどうかとか、そんなこた知りません)。そんでもって、その腕で相手を掴みに行ってるんか、パンチなんかわからんで振り回してるだけで破壊力ありそう。いやレイディーの冒頭近くのパンチでぐらついてて、あそこでレイディーさんが詰めてればわかんなかったかな、とは思うけど。やっぱり柔術チャンプということで容易に近づけなかったのかな。まあいいや。で、試合はブンブン振り回してるガルシアの、なんか当たっちゃった感のバックハンドブローで決着。なんなんだ一体。なんかわからんが、ギャビ・ガルシアにこのルールで勝てる女性選手はいるのか。いや、女子総合格闘技の世界には、もっと試合慣れした、このルールに精通している、れっきとした選手とかいるのかもしれない。それならそうで、このでたらめな感じのギャビさんとやってもらいたい。なんというか、RIZINの目玉選手じゃあないの? 「なんかすげー」感強いもん。ミーハーのおれはそういうのに弱いもん。

曙 vs ボブ・サップ

 今回の興行の「しょうもないなぁ」感というのはこのマッチメイクから一番漂ってるかもしれない。おれも一応は東スポくらい読んでいるので、曙太郎がどういう状況かはちょっとは知ってるが、しかしなあ。でもって、なんか中途半端なけっかで、「しょうもないなぁ」とか思ってしまった。両選手には悪いけど。でも、そういう「しょうもなさ」も何試合かのうち1個か2個混じってても悪くない、とも思うのだ。清原参戦、とか。

把瑠都 vs ピーター・アーツ

 大相撲幻想をほんのちょっぴり頭のなかに残しているおれは、「把瑠都? いいじゃん!」となってしまう。が、相手がジェロム・レ・バンナだろうとピーター・アーツだろうと、そのあたりはどうなんだろうね。あとから知ったけど、ピーター・アーツはハイキックすらろくに出せない状態だったっていうしねえ。要するに、なんか力を測るにはどうもという感じで。キックの選手だったら、執拗にローを蹴って間合いを取るとか、一撃飛び膝蹴りとか……初戦でそういうのは厳しいか。とはいえ、80kgくらいの体重差。ろくな準備もできてないアーツ。把瑠都(表記は漢字でいいのかな? バルト?)はともかく勝たなくちゃいけなくて、とにかく勝った。なんかもうアーツ応援しちゃったけど、まあ把瑠都悪くなかった。突進して距離詰めて重さでのしかかって殴る。殴る感じに躊躇というか、そういうのがないあたりがいい。おれは躊躇なく人が人を殴るのを見るのが好きだ。まあ、パンチの技術としては大したことないのだろうが。あと、なぜかアーツが関節技を決めにいくシーンが多くて、なんじゃそりゃ、おもしれえ、とはなった。

長島☆自演乙☆雄一郎 vs アンディ・サワー

 試合前のVTRかなにかで「格闘技が自分の時代で止まっている人も多い」みたいなことを言ってた長島。そうかもしれない、というところはある。対するアンディ・サワーにしてもそうで、おれなどからすると、サワー強かったな(その後しらんけど)という具合である。そんな二人の総合格闘技ルールでの一戦。長島も頑張ったが、なんかサワー強えなあという結果に。なんか動きに無駄がなくて、サワー感に溢れている。殴りにももちろん躊躇はない。あんまりそうは見えないけど、戦うのに適したなにかをもって生まれてきた人の中でも、たくさんそれを持ってる人、なんだろうな、などと。

山本アーセン vs クロン・グレイシー

 山本アーセンという人の存在については、何ヶ月か前にテレビのドキュメンタリーで見た覚えがある。山本家のホープで、ハンガリーに留学しているアマレスエリートで、オリンピックでメダルを目指している……と。それが大晦日総合格闘技参戦、と聞いて、「え?」と思った。並行して続けるのかねえ、アマレス。まあいずれにせよ若い。若いから吸収が早いのか、ヒクソン・グレイシー(今でも強そう感ある)の次男相手によく頑張った。なんかこう、膂力もありそうだし、これからの選手なのかな。

エメリヤーエンコ・ヒョードル vs シング・心・ジャティブ

 馳浩の挨拶長くねえか? とはいえ、箔をつけるためにも流しておくべきか。というのはともかく、おれのようなミーハーにとっては「ヒョードル」というと、それだけで特別感がある。そんでもって、試合の方も、相手はよくしらないけど、もうヒョードル感丸出しで、ガンガンガンといって、グイッとやって、ここ、ここ、ここ、と容赦なく鉄拳を叩き込む。実際のところ今のヒョードルが60億分の何かしらないが、ヒョードルらしいヒョードルが見られておれは満足した。

……疲れたのでこのくらいで。しかし、トーナメントの扱いが小さかったな(ダイジェストで放送していたのをあとから気づいた)。過去映像流すくらいならと思うが、どうなのだろう。キング・モーでは、というところがあるのかどうか、おれにはわからん。わからんが、せっかくトーナメントで王者決めたんだから、まあそれを中心に盛り上がっていってもらいたいところ。
 で、個人的なMVPは……なんかわからんけどギャビ・ガルシアで。以上。