こんなニュースを読んだ。
片瀬江ノ島駅90年ぶり新駅舎へ 老朽化、東京五輪向け|カナロコ|神奈川新聞ニュース
おお、小田急の片瀬江ノ島駅が新駅舎になってしまうのか。これは今のうちに見ておかねばならない。そう思った。そういうおれは湘南モノレール沿線で育った人間であって、厳密にそれほど小田急の片瀬江ノ島駅と密接な関係にあったわけではない。あったわけではないが、おれの江ノ島が変わっていくのだ。
変わっていくのは小田急ばかりではない。おれの愛する湘南モノレールも変わってしまう。
そういうおれは片瀬山駅と大船駅を小学校の塾通いから中退した大学通いまで続けていた人間であって、厳密には湘南江の島駅に思い入れがあるわけではない。しかし、おれの江の島が変わっていくのだ。
……面倒くさいが小田急は「江ノ島」でモノレールは「江の島」だ。ついでいえば江ノ電は「江ノ島」だ。
そんなことはどうでもいい。7月のはじめの暑い日、おれは一人で江の島を目指した。
湘南モノレール、江ノ島駅。もはや車両のカラーがバラバラなのだから、このウルトラマン配色もあまり意味がないかもしれない。そのうち変わってしまうかもしれない。
切符を買う。SUICAなどは使えないのである。1日にに何人くらいの客が自動改札の「SUICAをかざしそうな場所」を叩いて、「あれ、入れない」となるのだろうか。あるいは、湘南モノレールに乗ってはじめて切符というものを手にする子供などもいるかもしれない。おれは自動改札前の湘南モノレールだって知っている。
やってきたモノレールはオレンジ色だった。ウルトラマンカラーでいいのに。
世界の車窓から。だから青みがかかっている。おれはこのコンビニの駐車場で朝5時くらいに接触事故を起こしたことがある。おれは週刊少年ジャンプを買いに行ったのだ。
教会は健在だ(行ったことないけど)。
これが湘南モノレールの一方の果てである。
この看板は変わらん……ような気がする。
モノレールの高さからビルを下る。これが再開発される。
もったいないので、妥当な判断だと思う。観光地の入口、出口としては……あまりに寂しい。
そんな駅がなくなってしまうのも寂しいのだが、湘南モノレールにはもっともっと儲けてもらって、メジャーになってほしいのだ。
とはいえ、感傷の駅がそこにはある。
大蛸が出迎える。
なにかこう、なんだろうか、寂しい。
そこがいい。のだが、そこがだめ、なのだ。
おれは湘南モノレールのポテンシャルを信じている。打倒、江ノ電。
アピールだ、アピールが必要だ。
「このビルからモノレールが?」というところをなくさねばならん。「大船から一気に江ノ島、便利だよね」と普及しなければならない。
ちなみにこれが江ノ電とかいうものの駅だ。
スズメがなんだっていうんだ。みんな写真撮りやがって。
モノレールは速いんだぞ!
しかし、スバナの通りも変わったよな。いい方に変わったと思う。いつまでも昭和の観光地風ではアッピールが弱い。
とはいえ昭和も昭和でアッピールすればよいのだ。
あやしげなオブジェのある橋を渡ろう。
はい、竜宮城。
なんか小さい頃、母の運転する車で、夜遅くに父を迎えにこの駅に来たという記憶が蘇ってきた。そんな印象の駅。
きれいなもんじゃないの。
もう、臨時きっぷという時代ではないのだろう。
時代は移り変わる。
新しい駅舎にも遊び心があってほしい。
なんだこれ、という赤色とかでいい。なにせここは観光地。
変な建築で外国人の度肝を抜いてやれ。
それはこの湘南モノレールにも言える。とはいえ、あの横に伸びている部分がモノレールの駅だという不思議な感じは残してほしい。
境川サイクリングロード(早くも先行きなく挫折)。
……というわけで、小田急の、そして湘南モノレールの「エノシマ」を見てきた。全部変わっていく。当たり前だが、寂しい。おれは変化を好まない。おれ自身の変化も好まないし、おれの見知ったものの変化も好まない。こんなおれに、この世に居場所はないのかもしれないが、せめて記録だけはしておきたい。そう思うのである。以上。