根本橘夫『心配性の心理学』を読む

 

「心配性」の心理学 (講談社現代新書)

「心配性」の心理学 (講談社現代新書)

 

おれって何だといえば双極性障害2型と診断された人間であるが、自分の言葉ですんなりくるのは「不安神経症」の人間でもある。現に、双極性障害用の薬と抗不安薬を処方されている。

不安と心配、どこが違うのか。まあ、不安の方がたくさんの意味付けされてるから、「心配」の方を使いますよ、と著者。病気の「症」ではなくて、正確の「性」を使いますよ、と著者。そして、不安性チェックで10点満点を取るおれ。

……たとえ表面上同じ行動をしても、心配性の人とそうでない人とではその動機がまったく異なることがあります。

 行動は、基本的な動機により次の二つに分けることができます。

  満足追求行動 自分の欲求を満足させるためにする行動

  安全追求行動 恐怖や危険から逃れるためにする行動

 そうだ、おれはおれの欲求を満足させるためになにかしてきただろうか? 逃げて、逃げて、逃げて、この人生の底辺、生きるに値しない場所に追い詰められてしまった。世の中はおれに強制する。おれはその強制に応えるの精一杯で、ときには応えられない。だから、役立たずのおれは死ななくてはならないのだ。離人症のようなはっきりとした症状もなく、単なる無能。逃げるだけ逃げて、逃げ足も遅い。なんでおれは生きているんだ? おれは生きていていいのか? 

……やけ酒は、自我の覚醒水準を低めることにより、心配や深いから逃れようとする試みですが、アルコールからさめれば心配はそのまま残ります。心配や気がかりはそのままにしておくと一層強まります。ですから、次にはもっと強い覚醒水準の低下が必要になります。こうして酒量が増え、やがてアルコール中毒ということになるのです。

というわけで、おれは日々自分の「覚醒水準」を下げるために、がんばって酒を飲んでいる。もううんざりなんだ。この本の「心配性とのつき合い方」なんて読んだって、得られるものなんてないんだ。覚醒していないこと、頭をショットガンでふっとばすこと。おれは生きるに値しない。だからこんな生活で、食費を削って酒を買っている。おれは無能で逃げ足が遅かった。もう、どうしようもない。自殺を防ぐ薬と正確を変える薬はないと医者は言っていた。そういうことなんだ。