オール・オールタイム、ベスト・ベストナイン、プラスワン!

オールスターの投票をしていて、ふと思った。もしもおれがおれの見たなかで(というわけで、「オールタイム」は嘘になるわけだが)ベストのオーダーを組むとしたら、どのようになるだろうか、と。そのチームが1試合を戦うのみなのか、シーズンを戦うのか、そんなこと関係なしに考えてみた。

先発  黒田博樹

物心ついてからのカープファン。ここに北別府学大野豊を入れてもよい。あるいは、野茂英雄石井一久を入れたくもある。松坂大輔だって入れたい。でも、ここは黒田を入れさせてくれないか。

中継ぎ 岩瀬仁紀

岩瀬仁紀には、抑えというよりセットアッパーのイメージがある。べつに付け加えることはないだろう。

抑え 佐々木主浩

ここに大野豊を入れたっていいわけだし、高津臣吾を入れてもいいが、なんといっても大魔神を入れたいという世代である。頭の下だけで投げていた(配球に気を使わず、ストレートとフォークしか投げなかった)というあたりも、おれにとってはかなりいけてる評である。

捕手 古田敦也

これには迷った。カープからは達川、西山などがいるだろうが、やはり打てる上で守れる捕手だろう。となると、阿部慎之助か、城島健司か……というところで古田をチョイス。

一塁 新井貴浩

もっとすごい一塁手はいるだろう、という声もあろうが、ここは新井さんを選ばせてくれ。なんというか、ここぞというところでやってくれそうじゃないか。そして、簡単な球を見送り、難しい球をファールし、そして簡単な球を見逃す新井さん、素敵じゃないか。

二塁 菊池涼介

個人的には、というと、個人的にやっている記事でおかしい話になるのだが、たとえば思い入れのある正田耕三とかを入れたいし、強打者としては山田哲人を入れるのが筋かもしれない。しかし、菊池涼介の超人的、忍者的、圧倒的な守備力をおれは見たいのだ。そして、パワーのある打撃も忘れてはいけない。菊池は稀有な存在である。

三塁 落合博満

落合はどこを守備位置とするか? よくわからない。だが、おれはとりあえず三塁に入れたい。苦肉の策かもしれない。でも、おれには落合の打棒がどれだけ凄まじいものかわかっているつもりではある。

遊撃 松井稼頭央

ここも迷うところであった。カープファンとして野村謙二郎を入れるべきだったかもしれない。でも、全盛期の松井稼頭央のオールマイティっぷりは圧倒的である。リトル松井などではない。松井稼頭央松井稼頭央である。

外野 イチロー

イチローを外すことはできまいて。圧倒的なのである。その圧倒的感は圧倒的であって、圧倒的なのだからしかたない。

外野 前田智徳

これはカープファンの意地や贔屓と言ってもらっても構わない。走攻守の前田、あるいは、打棒のみに生きる前田。いずれにせよ、前田は天才であり、いくら引退後にスイーツ大好きおじさんになろうとも(榎本喜八とは違う!)、外せないのである。異論は認める。

外野 緒方孝市

これはもう、緒方のベストのみを取り上げたチョイスと言われても仕方ないだろう。でも、緒方は打ち、走り、守れたのである。異論は認める。

DH 大谷翔平

ここで大谷かよ、ミーハーめ、と言われようが構わない。大谷はすごい。そのことを認めなくてはならない。なんだかんだいってあの年齢で、いきなりメジャーで、投打でフィットしている。いずれはメジャー流のデータ解析で丸裸にされようが、その先を打つ、あるいは投げることができる。ひょっとしたら、野球のポジションというものの流れを変えてしまう選手かもしれぬ。日本野球も、アメリカ野球も。ゆえに、大谷はどこかに入れておかねばならぬのである。

 

……というわけで、ずいぶんとカープ寄りの選出となったことは否めない。でも、文句があるなら、あなたのベストナイン・プラスワンを提示してくれ。それだけの話だ。以上。

前田智徳 天才の証明