『響け!』のスピンオフで、非常に評判が良かったような気がする。「これは絶対に見なければな」と思いつつ、いまさらながらに見た。
たいへんに、よくできているように思った。すてきな、作品だ。ただ、ちゃんと作品を見る態勢が整っていなかった。エアコン工事の朝、早起きをして、少し眠気を感じつつ、電話を待ちつつ、部屋を片付けつつ、そんなちょっと注意力散漫な状態で見てしまった。
もし、そんないい加減な見方をしたら、それはそれでスルスルと流れていってしまう、そういうはかない作品であることは確かだ。ただ、しっかりと向き合えば、細かい挙動ひとつひとつに見どころがありそうで、それが、その、あの、すばらしいラストシーンに繋がることだろう。
だから、おれは、ちょっと巻き戻しなどしつつ見てしまったのを、後悔している。なにか眠れない深夜、テレビのチャンネルを回して、ふと見入ってしまうような、そんな出会いがよかったかもしれない。そんな見方で、おれがすっかり魅入られてしまったのは映画『櫻の園』(1990)だったりするのだけれど。
あと、「おまえの視聴態勢は映画に関係ないだろう」という声もあるだろうが、これは「感想文」である。おれの「感想文」だ。おれの勝手な思い込みだが、感想文となると作品とおれというのは50%ずつ分け合うものであって、それを晒すのはむしろ必須ではなかろうか。あらすじを知りたければ公式サイトなりWikipediaなりを読めばいい。評論が読みたければ、そういうところをあたればいい。おれは「食あたりで腹がひどいことになっていたけれど、この作品を我慢して一気にみたことを後悔していない」とか、そんな話ばかりするので。
あ、すばらしい『リズと青い鳥』から話逸れました。すみません。あと、『響け!ユーフォニアム』、映画はたぶん一作見たのだけれど、そのあとどうなってるかよくわかってない。新作アニメシーズンというのも見たけれど。まあ、本作は、『響け!』知らなくてもまーったく問題なく、はかなく、こわれやすく、それでもしなやかな強さのある作品なのです。たぶん。では。