温まってない肉まんがキャッシュレスを傷つけた

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午前中、倦怠で動けず午後からの出社。ついでにコンビニによる。簡単に食べられるものがいい。肉まんでも食べるか。

ピザまんとチーズカレーまん、楽天ペイで」

楽天ペイ。ペイ、ペイ、ペイ。果たして便利なのかどうか。よくわからないが、なぜかコンビニでの支払いファーストチョイスが楽天ペイになってしまっている。Suicaの方が早いだろう。クレジットカードの方が手間がかからないだろう。だが、慣れてしまえばペイもそんなに手間には思えない。

「すみません、ピザまんがまだできていません」

「え、なにがありますか? じゃあ角煮まんで」

店員、店長のネームプレートをつけた女性。戸惑うこともなくキャンセル処理を行う。ジャラジャラジャラと小銭が出てくる。手渡される。168円とか、そんな感じの、たくさんの小銭だ。おれはこいつらを嫌いというわけにはいかないが、財布の中にいてほしくないからペイを使っているのだ。そしてまた、おれは携帯端末の画面をレジに向け、ペイで払った。楽天ペイは決済時に川平慈英の声で「楽天カードマン!」と鳴る。嘘である。

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イチョウが黄葉している。毎年毎年、「今年は黄葉が遅いですね」と言い、「イチョウは12月でしょう」と言われる。今年は台風の塩害などがあったかとも思うが、なるほど黄色くなった。

街路樹のイチョウですこし嫌なのは、ぎんなんが道に落ちることだ。それを拾う人もいるのだが、車道の左側を自転車で走る身としては、下手に踏み潰してバランスを崩すのも怖いし、タイヤににおいがつくのも嫌だ。すこし嫌だ。

日本で一番多い街路樹はイチョウだという。そしてサクラ、ケヤキ。現代の街路樹というと、まず自動車の排気ガスなどへの耐性が問われるだろう。樹形としては、あまり横に広がらないほうがいい。ファスティギアータ樹形が望ましい。あとは、花くらい咲いてもいいかもしれない。実がなってもいいだろう。ヤマモモの街路樹などの実は、都市部ではあまり野鳥が来るわけでもなく、ただ落ちて潰されてもったいないようにも思う。かといって、木登りをして採集しようという気にはならない。ユリノキの花は高すぎてよく見えない。トウカエデなどは秋が楽しいだろう。

いずれにせよ、気候変動というやつで、何十年か経てば街の風景もかわるかもしれない。イチョウの大並木と思っていたら、カナリーヤシが並んでいるかもしれない。横浜ハワイアン。みんなアロハシャツを着て、電動スクーターで走り抜ける。

「昔、ここには野球ボールのスタジアム球場があったんだ」

「この、海の下に」

横浜市庁舎は、たとえば、瀬谷にある。

瀬谷には上瀬谷通信施設があった。今は、第二横浜ドリームランドがある。老人たちがラジコン・ボートで遊んでいる。彼らとて、最初のドリームランドを知らない。ここが日本であったことを知る人もいない。

夜になったら、収容所に帰る。拾ったどんぐりをヴァイツェンミッシュブロートと塩のスープと交換する。ヤシの木の向こうに虹色の太陽が沈んだ。