ゲーセンでベガが禁止されたあの日、俺たちは一つ大人になったんだ | Books&Apps
こちらの記事でこんな記述があった。
「ストIIダッシュ」において、当初強キャラと認知されたのはベガ、サガットの2キャラだった(ちょっと後に、ガイルも十分強いということが判明して「三強」と呼ばれるようになる)。
その中でも特に問題になったのはベガだ。ベガの「サイコクラッシャー」という技は、ガードしてしまうと3回も削りダメージを受ける上、その後キャラによっては殆ど抵抗することも出来ずに投げられてしまう。
この「サイコ投げ」「サイコハメ」と呼ばれたテクニックが猛威を振るった。
後には「ダブルニープレス」から投げに繋ぐ「ダブルニーハメ」も登場して、ベガは蛇蝎のごとく忌み嫌われた。
これについておれは、以下のようにブックマークした。
ゲーセンでベガが禁止されたあの日、俺たちは一つ大人になったんだ | Books&Apps
- [ゲーム]
- [追憶]
“「サイコ投げ」「サイコハメ」”これ、由来はわからないが「サド投げ」と呼ばれていた。対戦台で使ってしまったら、相手に一回投げさせるのが暗黙の了解。そのマナーを破ると物理的な暴力が発生した。
2021/02/22 20:01
これ、書いたあとに思ったが、正確ではない。われわれが「サド投げ」と読んでいたのは、飛び蹴りをガードさせて、ガードの硬直時間に投げるハメ技全般を指していた。ベガに限った話ではなかった。
それにしても、あのころの対戦台は上に書いたように物騒でありながら、見知らぬものの対戦でも、「サド投げ」が発生してしまったら(操作ミスによってあり得る動作ではある)、自身を無防備にして一回投げさせるという暗黙の了解があった。それはまさに暗黙の了解であって、べつにゲーセンが貼り紙をしていたわけでもない。仲間内で共有されていたわけでもなく、だいたい自分たちが行くゲーセンでは自然と同じ了解があった。『ゲーメスト』誌かなにかに書かれていたのだろうか。
そして、それを知ってか知らずが破るやつがいたら、「おう、コラ!」というリアル・ストリートファイターに突入することもあった。まだ、ゲーセンというものがちょっとダークな時代でもあった。
で、「サド投げ」だ。この呼び名はなんだったのか。検索してみたら、次のような掲示板(なんJ)への書き込みが見つかった。
840 俺より強い名無しに会いにいく 2011/02/20(日) 15:44:33 id:laa4xtG70
先日ゲーセンであて投げしたら試合後「サド投げすんなや!」って怒鳴られたんだが
サド投げ!?(確かにそう聞こえた。けっこうおっさんでした)
ぐぐってもわからんしそれ以来気になる??地域によってとかあるのかしら
そうだな、「当て投げ」というのが一般的だった。その言葉も知っている。で、上の書き込みを見て、「けっこうおっさん」が「サド投げ」と言ったのは確かだとおれは思う。そのおっさんはあの当時、神奈川県のゲーセンで、あるいは大船や藤沢のゲーセンで対戦台に50円玉を並べていたんじゃないかと思う。
と、この掲示板を続けてい見ていたら、正解じゃないかという書き込みがあった。
860 ゲリゲリ君 2011/02/20(日) 23:52:37 id:v6GHM0P70
>>841
それは、佐渡投げですね。初代スト2で使われていたようです。
ムックに書いてた。私は、さわたり投げだと思ってた。
佐渡って開発者が開発したそうだ。私の回りは投げハメって言ってた。
はい、おっさんです。
なんと、「サド投げ」は「佐渡投げ」だったのか。(たぶん)初めて知った(いや、たぶんじゃなくて忘れていただけかもしれない)。それなら、やはり『ゲーメスト』誌かなにかの雑誌経由で広まったのだろう(そのころインターネットなんてなかったんですよ)。いや、広まったかどうかわからないが、ともかく伝わっていたのだ。いやはや。
今のおれはもう格闘対戦ゲームから遠く離れた。「ストII香港版」と呼ばれていたなぞのゲームの思い出(エドモンド本田がジャンプしつつ百裂張り手をしながら波動拳を出したりする。だいたいのキャラのだいたいの必殺技から波動拳が出る)などもあるが、もう遠い昔の話だ。もはやローレンス・ブラッドのブラッディフラッシュどころか、昇龍拳も打てないだろう。でも、おれがそんなことをやっていた時代もあった。それだけだ。