ドキュメンタル シーズン10 チャンピオン大会がひどすぎた

amzn.to

そもそもドキュメンタルなんてくだらないよ、見るに値しないよ、見てる人間の品性を疑うよ、という人がいたら、もうここで読まなくていいです。

とはいえ、昨年末に公開されたドキュメンタルシーズン10、歴代優勝者決戦は、あまりにもできがひどいので、おれもドキュメンタルなんてくだらないよ、見るに値しないよ、見てる人間の品性を疑うよ、と思ってしまったのである。今更の話かもしれないが。

唯一の見せ場は、とろサーモン久保田がスマホ画像一枚でくっきーを撃沈させたところがかっこよかっただけで、ほかはもう……。

べつにおれは下ネタを見るのは嫌いじゃないんだ。書いたり喋ったりするのは苦手だが、見る分には嫌いじゃないんだ。

けど、それなりの芸人が集まって、やることといえばそればかりで、はっきり言って面白くない。笑えないし、つまらない。マンネリだ。飛び道具で「そこまでやるのか」という驚きがあったころならばいいけれど、もう8割くらいそれだと、うんざりしてしまう。

山本圭壱いじりも、ちょっと度が超えていた。かつての犯罪をほじくり返すのも、ちょっと触れてひと笑い取るくらいならまだしも、執拗で面白くない。山本もこういう場での瞬発力が落ちているような気もするし、なにもできなかったのも確かだが、あんだけいじめられてしまっては、心が死ぬ。見ている方も心が死ぬ。

ハリウッドザコシショウについては、あのスタミナと動じなさは無敵といっていいが、見ている側としてはもうちょっと食傷気味というところになる。ゆりやんの悪絡みも、どうも呼吸があっていない。手数を出そうというところはいいのだが、はっきり言ってつまらない。友近くらいと自然に練り上げられたものでなければ、即興劇もうけない。「体を張る女芸人」というのも、もう笑えるものでもない。

 

だからね、もうちょっとね、なんかちょっと考えてほしい。今回はメンバーがひどかった。いや、メンバーの組み合わせが悪かった。それはある。それはあるけれど、もうちょっとトークで笑わせるようなバトルが見たい。そういう意味では、テコ入れ的に投入された非参加者が入って、「ファーストキス話しよう」とか、松本人志自身が入って架空しりとりさせたりしようとしたのは悪くなかった。が、そういうサポートがなければ、もうグダグダのしばきあいと下ネタだけで、見られたもんじゃない。というか、サポートに入っても、あのメンバーのあの状況では、その効果も不発だったけどな。

 

ただね、おれね、このね、ドキュメンタルのね、笑いを我慢する人間を笑わせようとするバトル、これは面白いと思うのよね。発見よね。それに、なんか笑わせてやろうというのは、芸人の持っている本性みたいなものであって、そういうところを見たいんだよな。

前にも書いたが、おれは『笑ってはいけない』シリーズの控室でのやりとりが好きで、みんなで協力してなにもしなきゃいいところを(本当にそうしたら撮り高もなくなるので仕方ないのかもしれないが)、勝手になんかはじめて他人をはめようとする、あの感じが好きなんだ。

あんな感じで、何気ないところで笑いを取る、そんなのが見てみたい。ちょっとコンプライアンス的な意味ではなく、面白さのために露骨すぎる下ネタはやめてみたりして、ちょっと空気変えないと、せっかくの面白いフォーマットが無駄になってしまう。それは惜しいので、ガラッとメンバーを変えるなんかも含めてやってもらいたい。