おれのサンドイッチが捨てられた

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なにも食う気がしない今日、だったら食わなければいいのだが、やはりなにか食うかという気もあってコンビニへ。なぜかわからぬが、「あまり食う気がしないときはサンドイッチだな」と思い、適当に手にとってレジへ。

「カードで」とおれ。

「ハイ」と中国人店員。

バーコードを読み取る。

「ベロンベロンベロン!」と変な電子音。

なにかおれの知らないところでこのコンビニがなんらかのキャンペーンをやっていて、おれの知らないところでおれはそれに当たったのかと思う。

が、「少々失礼シマス」と店員。おれのサンドイッチを持って商品棚のほうに小走り。

なんだ、賞味期限だか、消費期限だかが切れていただけだった。もしも同じ種類のサンドイッチがなかったら、おれはまた選び直さなきゃいけないのか。面倒だ、などと思う。

そこに店員が駆け戻ってくる。両手にサンドイッチ。あったのだ、新しいのが。と、そこで店員、古い方をカウンターの中にあるゴミ箱にポイと投げ捨てる。

「あ、おれのサンドイッチが捨てられた」と、なぜか思う。

あれは、おれが数百円を出して購入して、おれの胃袋に入るはずのものだった。少なくとも、数十秒前まではそうだった。それが一転してゴミ箱にポイ、だ。なにか得体の知れない理不尽さを感じるが、理不尽は理不尽であって、店員の行動は理にかなっている。だが。

職場に戻っておれはサンドイッチを食った。おれが食うはずだったサンドイッチはコンビニのカウンターの中のゴミ箱の中にあって、おれは新しいサンドイッチを、食った。