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『ダダイスト新吉の詩』を読む

宇宙は馬鹿なんだ。

有限も馬鹿なんだ。

 

 

タ゛タ゛イスト新吉の詩 (愛蔵版詩集シリーズ)

タ゛タ゛イスト新吉の詩 (愛蔵版詩集シリーズ)

 

辻潤、ときて高橋新吉ダダイスト新吉。高橋新吉に言わせれば、おれのほうがダダの先駆者だ、といいたいところだろうが(じっさいにそう言って暴れたらしいが)、おれにとっては辻潤からの高橋新吉、なのだ。高橋新吉という名を見たとき、新美南吉かな? と思ったのは秘密だ。

佐藤春夫は神戸でこう言った。

「君は半世紀進んでゐる第三流の作家だ。ただの三流の作家なら原稿は売れるのだ。君は半世紀進んでゐる。そこが君の世間に通用する人になれない致命的な点である。」

半世紀よりあとに読むおれのことを考えてくれ。考えなくてもいいが。けれども、そうだ、そのとおりだ。半世紀進んでいて、なおかつ第一流とは言い難い。「その当時、世間に与えた影響は大きかったのかもしれないな」とは思いながらも、詩をめくっても刺さってくるところが少ない。おれには感性も知識もないので「三流」などとは言えたもんじゃあないけれど、今の、平成末期のおれにとっての第一流じゃないというのはたしかだった。ただ、早すぎたのだ。変化球を待ちきれずに、引っ張って大ファールを打った、そんな詩集だ。 むろん、この比喩は高橋源一郎による武者小路実篤の批評のパクリである。以上。