なにか

人は一人でも狂えるのか? 二人ならどうか? 三人だといけるか?

寄稿いたしました。 blog.tinect.jp ちょっと前にネットで話題になっていた「45歳独身男性狂う説」について、45歳のおれが自分の例で考えてみたものです。よろしければお読み下さい。 ……で、最後の方に「書いていて気付いた」みたいなことを書いていて、それ…

12/8に頒布するポストカードが刷り上がってきたで

きたる12/8(日)に、〒154-0022 東京都 世田谷区梅丘 1丁目-25-3MINOビル 302号室 「書肆書斎」様で「ぱる」さんのお手伝いをするついでに、自作のポストカードとシールを頒布する予定なんやで。 goldhead.hatenablog.com goldhead.hatenablog.com ポストカ…

みんなは世界を信用して生きているのか?

会社の帰り、スーパーに寄る。スーパーの駐輪所に自転車を止める。ガッシャン、とロックされるタイプのやつだ。2時間までなら無料。おれはスーパーで買い物をするだけなので無料。買い物を終えたおれは番号を押してロックを解除する。 しかし、ロックが故障…

青年たちはいつでも本気に議論をしない。

このごろ、太宰治を読んでいる。読み直しているのではない、読んでいるのだ。この間、はじめて「人間失格」を読んで、これはひとつ全集を読んでみようと思ったのだ。 太宰治全集 全10巻セット (ちくま文庫) 作者:太宰 治 筑摩書房 Amazon して、ちくまの文庫…

おれは真のアメリカ人だ

おれがアメリカ生まれなのはみなも知っているだろう。おれの思い出話といえば、アメリカのことばかりだ。あまりにもアメリカの話だらけなので、こいつは心の底からアメリカ人なんじゃないかと思うやつもいるだろう。そうだ、おれは真のアメリカ人だと言わな…

こちら地球

こちら地球。夏は終わった。秋風が吹いている。繰り返す。秋風が吹いている。人間の列の末尾はもう終局線をこえた。ここにはだれひとりいない。こちら地球。わたしたちの耕してきた土地はすべて荒地に戻る。多くの草木が思い思いに生い繁るだろう。海には魚…

生まれたときの能力がちょっぴり足りないだけで不幸せスパイラルから一生抜けられない

精神科医「メンタル病みやすい人の傾向とか、よくネットに書かれているけど、結局は、『要求水準に対して、能力が足りてない人』これに尽きる」 - Togetter [トゥギャッター] メンタル病みやすい人の傾向とか、よくネットに書かれているけど、結局は、『要求…

おれは脳も胃も酒で焼かれてもう消失の寸前だ。先に見えるものもないし、後悔すらもうない。

夏が終わって、天気予報士もそんなことを言っていた。台風はじじいのファックくらいのろのろしていて、おれは暴風雨が待ちきれなかった。おれは田んぼの様子を見に行くのが我慢できない。でも、横浜市中区に田んぼはあるのか? 立ちんぼはいても田んぼはない…

めくるめく夏の終わりに

めくるめく夏の終わりにおれは安酒片手に裏路地に座り込んでネコを見ていた。座り込んでいるおれをネコは見ていなかった。おれは「シーっ、シーっ」とネコの気を引く必殺の音声を発生させた。おれはカラスに襲われた。カラスの爪は意外に大きくて、かたい。…

ポリコレのキャンセルから逃げるためには、くだらない共感を求めるな、一切の連帯感を捨てろ

寄稿いたしました。 blog.tinect.jp 田山花袋の『蒲団』と、それを元にした令和の映画『蒲団』。そこから見えてくる「先生」的男性の相違について考えてみました。そんでもって、いつの時代も男は愚かや……と、思った次第です。 と、これを入稿したあとに、以…

I'm old guy, good guy, soon die.

おれは日本から来た。おれは老いぼれだが、悪い男じゃない。もうすぐ死ぬ。今日は空も街もうつくしい。あなたもうつくしい。だから十五分だけ話をしてくれないか? おれはあなたと話しがしたいんだ。 話をしよう。幼いころの、あきることなく絨毯の模様を指…

森は生きている。街は生きている。関内も生きている。

森は生きている。街は生きている。関内も生きている。いや、生き返ろうとしている。ついこないだまで、関内の街を歩くのは生きているのか死んでいるのかわからないゾンビみたいな連中ばかりだった。ゾンビそのものだった。ゾンビたちはコンビニやスーパー、…

遠いむかしに、わたしたちの世界を満たしていたもの

遠いむかしに、わたしたちの世界を満たしていたもの。水や空気があった。太陽の力でみどり色のものたちがおおきく育った。そのみどり色のものたちを取り入れたものたちがいた。 遠いむかしに、わたしたちの世界を満たしていたもの。色や形があって、ここには…

かわいそうな天使ピッピツィピーナ

空の上のくにのお話です。小天使のピッピツィピーナは、いたずらが大好きでした。にんげんのくにに降りてきては、にんげんのちいさな子どもたちにちょっとしたいたずらをするのです。とくにすきないたずらは、ちいさな子どもたちに、トマトがこわいかいぶつ…

わたしらは山あいに住んで、地味な葉っぱをつくっていた

わたしらは山あいに住んで、地味な葉っぱをつくっていた。地味な葉っぱは地味な味がして、たいした栄養もなく、地味で質素な暮らしをする人たちが食べていた。わたしらの暮らしも地味で質素だった。日が昇れば起きて、日が暮れれば仕事を終えた。すっかり暗…

フィクション作品の鑑賞と前提知識についてのメモ

この間、こんな話題を見た。 togetter.com おれはこれについて、物語の解釈力とは少し違うメモを残した。リンク先でも、ちょっとだけ言及のあったことだ。 もしも自分が「ドラクエ的RPG」について全く無知だとしたら、物語以前に『フリーレン』に興味を持て…

友達がつくれない子供には薬を飲ませろ

寄稿いたしました。 blog.tinect.jp かなりストレートなタイトルになっておりますが、まあ自分が言いたかったことはこれなので、これでいいでしょう。 というわけで、自分の「不安症」とその対処法を書きました。不安症、心配性、奥手、引っ込み思案、内気、…

2023年の振り返り:ジャンル別メモ(←AIが考えたタイトル)

2023年をいろいろと振り返ろうと思ったが、それぞれに振り返るには分量が少ないので、全ジャンルについて一番目とか二番目だけメモすることにした。金を使っているものもあれば、使っていないものもあるが、まあいい。ライブ行ったとかはチケットを買ったっ…

辰供養

会社の年賀状に使う干支の龍の画像をAIにたくさん生成させたうちの最終候補をここにアップして供養します。それだけです。個人の年賀状で使いたければ使っていいです。

新しいサイバースペース独立宣言

インターネットを牛耳る巨大企業どもよ、お前たち情報と技術でできたか弱い巨人どもよ、私は新しい精神のすみか、新しいサイバースペースの住人だ。未来のために私はお前たち過去の人間に要求する。我々のことは放っておいてくれ、と。お前たちは我々にとっ…

FM的虚無

「課長、もう、辞めさせてください! こんな職場は耐えられない! 出るところに出ます!」 「君、ちょっと、落ち着きたまえ。いったいなにが問題なんだね。就業時間も問題ないはずだし、パワハラかね?」 「パワハラじゃありません、ラジハラです!」 「ラジ…

おれにアードベッグを贈るということ

おれのもとにアードベッグが届く。おれにアードベッグを届けたところで見返りはない、といつも書いている。それは嘘だ。 アードベッグが届くと、おれはコートを着てビルから出る。人目を避けて川沿いまで歩く。川はどこからか流れてきて、やがて海へいたる。…

入国審査官

入国審査官の朝は早い。夜は遅い。ときには深夜に呼び出されることもある。休むことは許されない。私が休むと外国から正体の知れない外国人が入ってきてしまう。私の使命は外国人を正しい形で、この国に入れることだ。 その日はあさから目眩がひどかった。そ…

おれもユーチューバーになろうと思う

おれもユーチューバーになろうと思う。おれはユーチューバーになって金持ちになる。やりたいことをやって生きる。おれはもうこんな仕事は嫌なんだ。いくら働いたってお金にならない。ほんとうにやりたいことじゃない。おれの小さなころの夢を思い出そう。お…

土蜘蛛

夜、ぼくは近くの公園の外周をウォーキングしていた。歩くのは健康にいい。医者もそう言っている。この季節は少し寒いけれど、歩く人も走る人も少なくていい。 モヒニ・デイのベース・プレイを聴きながら、適度なスピードで歩く。向こうから女性が一人歩いて…

タトゥーの女たちと無人のジム

わたしはジムに通っている。ジムといっても24時間使用できる、無人のジムだ。本格的に身体を鍛えようという人はあまりいない。 わたしも少しは筋肉でもつけてみるかといったくらいの気持ちで、週に二回くらい通っている。自分と似たような動機であろう中年男…

大阪万博の記憶

万博の会場に入ると、参加した四カ国のブースが軒を連ねていた。トルコのブースではドネル・ケバブが売られていた。ケバブサンドも人気らしい。タイのブースではカレー。メキシコのブースは豆と野菜いっぱいのタコス。あとはどんなものがあったのか思い出せ…

保冷も、水漏れも、それ以前の問題だよ!

「あ、もしもし、ですね、あの、ですね、御社のね、水筒を買ったんだ。断熱の、その、保冷とかするやつだよ。黒い色の。いや、色は関係ないんだけどね。それがだね、問題なんだよ」 「お客様、落ち着いて下さい。保冷に問題がありましたか? あるいは水漏れ…

ラ・マルク靴店

わたしはあてもなくぶらぶらと古い商店街を歩いていた。日曜の昼下がりだった。 「そこの人、ちょっとよろしいか?」 古びた、それでもきっちりとしたスーツに身を包んだ銀髪の老紳士に声をかけられた。 「なんでしょうか?」 「わたくしにはわかるのですが…

トゥルース、トゥルース、ニュー・ワールド、ノット・マシーン、ニュー・エラ

「お巡りさん! コウガイです! 助けて下さい!」 ぼくは交番に飛び込んで言った。 しかし、お巡りさんはいなかった。テーブルの上に固定電話が置いてある。「現在外出中です。この電話で連絡して下さい」という紙が置いてあった。 ぼくは受話器を取った。ボ…