感想文

『漁港の肉子ちゃん』を観た

漁港の肉子ちゃん 大竹しのぶ Amazon 明石家さんまが企画だかプロデュースしたアニメ映画。興行的にはふるわなかったようだが、内容を評価する文章もいくつか目にしたような気がする。 巨体(作中で出てきた体重以上はあるだろう)の肉子ちゃんの大竹しのぶ…

『トップガン マーヴェリック』……トムよ、それはたくさんのメビウス1が通ってきた棺桶ポイントかもだ!

映画館で売られていたプラモデル ただの感想 ※ネタバレします。そういうタイプの映画じゃねえかもしれねが。 映画『トップガン マーヴェリック』を観てきた。 感想はというと、「この映画は直球の王道だし、戦闘シーンとかも現代最先端技術を使ったであろう…

ケン・リュウ短篇傑作集2『もののあはれ』を読む

もののあはれ (ケン・リュウ短篇傑作集2) 作者:ケン リュウ 早川書房 Amazon 図書館でレイ・ブラッドベリの本をジュニアコーナーで探していたら、この本が目に入った。あ、ケン・リュウじゃん。こっちにしよう。そう思って借りた。 ……あれ、読んだことあるん…

栗原康『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』を読む

アナキズム――一丸となってバラバラに生きろ (岩波新書) 作者:栗原 康 岩波書店 Amazon 角川武蔵野ミュージアムで見かけて、「あれ、おれ、栗原康の本はほとんど読んだつもりだったけど、岩波新書のこれ読んでねえな」と思った。思ったので、読んだ。 いつも…

『赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由』を読んだ

他人が見ている青い空は、実は自分にとっては真っ赤なのかもしれない。ただ、それはどうやっても確かめられない……というようなことは、誰もが一度は考えるはずだ。たぶん。そればっかりは、どうやっても。 で、先日図書館でこんな本を見かけた。 赤を見る―感…

『シン・ウルトラマン』とおれと昭和のウルトラマン

おれとウルトラマンウルトラマンとおれ。 それについては東京都現代美術館の『特撮博物館』に行ったときに書いた。書いたのを今知ったので、そこから引っ張ってくる。 goldhead.hatenablog.com 私は1979年の生まれだ。ウルトラマンもウルトラセブンもリアル…

『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』を観る

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(字幕版) ヨハンネス・ホロパイネン Amazon おれはいくつかのジャンルの音楽を聴くが、メタルは知らない。どのくらい知らないかというと、『タモリ倶楽部』の空耳アワーでたまに耳にするくらいだ、というくらい…

達人としての医師というものについて

blog.tinect.jp 神田橋條治 医学部講義 作者:神田橋 條治 創元社 Amazon 寄稿いたしました。 神田橋條治医師の講義録についての感想です。 お読みいただけたでしょうか? 読んだか、このやろう? 読んだということにする。 というわけで、神田橋條治である。…

藤原新也『日々の一滴』を読む

日々の一滴 作者:藤原新也 トゥーヴァージンズ Amazon 藤原新也の近頃の本である。 藤原新也のオールド左翼的、反原発などのありきたり発言にはちょっと嫌な感じがする。 それでも藤原新也の写真はすばらしい。 それでも藤原新也の文章はときどき芯を食う。 …

映画『花束みたいな恋をした』をみた

花束みたいな恋をした 菅田将暉 Amazon 花束みたいな恋をした 豪華版 [Blu-ray] 菅田将暉 Amazon おれはあまり恋愛映画というものをみない。だが、この作品はなにかしらすごいぞという空気が伝わってきていたので、「いつかみてみるか」とおもっていた。おも…

斎藤環・與那覇潤『心を病んだらいけないの?』を読む

心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書) 作者:斎藤環,與那覇潤 新潮社 Amazon 医師と当事者 おれは精神科医の書くものが好きである。一般人、患者向けに書かれたものでもよいし、同業者に向いて書かれたものでもよい。後者はもちろんむず…

『孤狼の血 LEVEL2』はいまいちだったなってのと、映画界のセクハラ・パワハラ問題について

孤狼の血 LEVEL2 松坂桃李 Amazon 『孤狼の血』はすげえいい映画だったし、LEVEL2になって鈴木亮平がすごいことになってる、ヤクザ映画史に残るすごさがすごい! という前評判をおれは受信していた。電波は電波が膨らんでおれの前評判は万里の長城とな…

川上弘美『龍宮』を読む

龍宮 (文春文庫) 作者:川上 弘美 文藝春秋 Amazon 川上弘美の『龍宮』を読んだ。 というか、この日記の読者の方から「北斎」を読めと勧められたので、読んだ。 蛸に教訓を垂れられた。私は神妙そうに頷いた。 「そのまま岸に着き、船は港に舫われた。夜にな…

チャールズ・ブコウスキー『英雄なんかどこにもいない』を読む(ちょっと読んでない)

英雄なんかどこにもいない 未収録+未公開作品集 作者:チャールズ・ブコウスキー 青土社 Amazon ブコウスキーの「未収録+未公開作品集」を読んだ。読んだといっても、ぜんぶ読んでない。正直に言う。年度末で忙しくて、読書する時間がない。くそったれ。 そ…

『ブコウスキー・イン・ピクチャーズ』を読む……? ……見る?

ブコウスキー・イン・ピクチャーズ 作者:ハワード スーンズ 河出書房新社 Amazon ハワード・スーンズによるありきたりでないブコウスキーの伝記を読んだ。 goldhead.hatenablog.com 同じ著者による、ブコウスキー写真集があるというので読んでみた。いや、写…

西村賢太『痴者の食卓』を読む

痴者の食卓 作者:西村 賢太 新潮社 Amazon 夢魔去りぬ (講談社文庫) 作者:西村賢太 講談社 Amazon (文庫本化したさいに表題作名を変えたようです。しかし、文庫本の表紙はなんなんだろう) おれは図書館に行くとき、次に借りるものが決まっているときと、決…

シモーヌ・ヴェイユ『工場日記』を読む

工場日記 (ちくま学芸文庫) 作者:シモーヌ・ヴェイユ 筑摩書房 Amazon シモーヌ・ヴェイユの『工場日記』を読んでみた。 月曜―火曜――ねじ、C4×16、鉄/4フラン50で5000個プラス賞金1フラン/フライス1号、7010III/013252、フランジ固定。M・P・Rねじ、鋼鉄…

DCもマーベルも知らないおれが『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 』を見た感想

おれはDCもマーベルも知らない。知る機会なく生きてきた。アメコミが好きとか嫌いとかいうまえに、接する機会がなかった。なので、世の中が『アベンジャーズ』とかで盛り上がってるときに、「え、みんなアメコミ世界にどっからか入ってたの?」と驚いた。 ザ…

早助よう子『恋する少年十字軍』を読む

恋する少年十字軍 作者:早助よう子 河出書房新社 Amazon 『アナキスト本をよむ』をよむ - 関内関外日記 栗原康の本で知った本を読んだ。 早助よう子という名前も知らなかった。なんとも奇妙な、奇っ怪な小説集だった。情景が、発想がぴょんぴょん跳ねてとん…

ハワード・スーンズ『ブコウスキー伝 飲んで書いて愛して』を読む

ブコウスキー伝―飲んで書いて愛して 作者:ハワード スーンズ 河出書房新社 Amazon この日記の読者の方からのお便りで(みんなもっとお便り送ってくれてもいいんだからね!)、「チャールズ・ブコウスキー好きならスーンズの『ブコウスキー伝』いいですよ」と…

SFアニメ『地球外少年少女』は良い作品だった

【Amazon.co.jp限定】オリジナルアニメ 「地球外少年少女」 ビジュアルアーカイブス (特典映像視聴用デジタルシリアルコード付) [TDVDS-09] 磯光雄 Amazon 【Amazon.co.jp限定】オリジナルアニメ 「地球外少年少女」 設定資料集 (特典映像視聴用デジタルシリ…

ゼロ年代空白期間のおれが、今さらながら『HELLSING』OVA版を見た

おれは子供のころからけっこうな漫画読みだったのだが、実家がなくなって一家離散、金銭的にどん底になってから十年くらい、まったくの空白期間がある。時期にして、だいたい「ゼロ年代」にあたるだろうか。その間は漫画ばかりでなく、アニメもゲームもほと…

精神障害者が『なぜ心はこんなに脆いのか 不安や抑うつの進化心理学』を読む

なぜ自然選択は、私たちをこれほど多くの精神疾患に対して脆弱なままにしたのだろう? これは価値のある問いであり、これに答えようとする試みによって、精神疾患に対する私たちの理解は深まるはずだ。これが、本書のシンプルなテーマである。 「エピローグ…

ドキュメンタル シーズン10 チャンピオン大会がひどすぎた

amzn.to そもそもドキュメンタルなんてくだらないよ、見るに値しないよ、見てる人間の品性を疑うよ、という人がいたら、もうここで読まなくていいです。 とはいえ、昨年末に公開されたドキュメンタルシーズン10、歴代優勝者決戦は、あまりにもできがひどいの…

坂本慎太郎の声はずっと聞いてたいな アニメ映画『音楽』を見る

音楽 坂本慎太郎 Amazon 音楽 完全版 作者:大橋 裕之 カンゼン Amazon ほぼ監督一人の手によって作り上げられたインディーズ・アニメ映画である。7年で4万枚描いたという。 www.kinejun.com これ、珍作とか、希少性とか、ヘタウマとか、そういう先入観抜きに…

『シドニアの騎士 あいつむぐほし』を見る

【Amazon.co.jp限定】『シドニアの騎士 あいつむぐほし』Blu-ray [通常版] (トートバック付き) キングレコード Amazon アニメ版『シドニアの騎士』の掉尾を飾る『あいつむぐほし』を見た。おれはそれほど熱心な『シドニアの騎士』のファンではない。TVシリー…

生と死とセガサターンと人間の歴史 長嶋有『もう生まれたくない』を読む

もう生まれたくない (講談社文庫) 作者:長嶋 有 講談社 Amazon 三月に起きた津波は、その高さが「数字で」発表された。その数字より高いところにのぼったら生き残り、低ければダメだった。あるいは、同じ建物の三階に逃げた人は死に、屋上の人は生き残った。…

映画『ドント・ルック・アップ』を観るのこと

youtu.be Netflixで配信中の『ドント・ルック・アップ』。ある大学教授と大学院生が、地球に接近する彗星を発見する。接近どころか衝突する。これをアメリカ大統領に伝えようする。伝える。伝わっているのかどうか。マスメディアで訴える。訴えるが、世間に…

『アナキスト本をよむ』をよむ

アナキスト本をよむ 作者:康, 栗原 新評論 Amazon 「アナキスト本」をよむ、のではなく、「アナキスト」本をよむ、なのだ。だが、アナキストがよむ本なのだから「アナキスト本」なのかもしれず、そのあたりはどうとでも解釈すればよいだろう。 というわけで…

年末年始『三体』三昧

おれが劉慈欣の『三体』を読み始めたのは西暦2021年12月30日14時20分(JST)頃である。そのことは「サンマルクカフェ」のレシートから明らかだ。 さかのぼって数十分前、おれは伊勢佐木モールのブックオフにいた。恥を晒すが、ブックオフだ。そこでおれが見…