寄稿いたしました。
古くはテレホンカードからはじまる、「完全現金払い社会→キャッシュレス社会」を生きてきた一消費者の決済の記録です。決済の記録といってもそのあたりのコンビニとかでの支払いですね。あと、「完全現金払い」というのは、そのころ自分が子供だったので、クレジットカードとは縁がなかったということになりますが。
で、QRコード払いの世の中よ。いや、そんな世の中にはなっていない。
2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)
こちらによれば8.6%。でも、これって金額ベースよな。10万、20万するものを買うときはクレジットカードじゃねえか。あと、巨大なECもだいたいクレジットカードだよな。
でもな、日頃のコンビニとかでの皆さんの決済を見ていると、まあ意外にコード決済が多い。現金もまだまだ少なくないけど、ピッてやってるのも少なくない。
まあしかし、そんなのはとりあえず上の記事に書いたからいいとして、こんなふうな人間の生活の変化について、どんだけどういう記録が残され、後世の人間に解釈されるんだろうな、ってことだ。そりゃまあ上の統計みたいな記録も残るだろうし、レジでの決済方法の統計、各サービスの割合なんかも残る。
でもなんだろうな、たとえば、QR決済というものが始まるらしいと知ったとき、「Suicaのほうが便利なのに、なんで?」みたいな意見は残るのだろうか。残ってほしいよな、と思う。残ったところでなんの役に立つのかわからない。わからないが、その上で、初期導入費用や手数料から……と分析してほしい。後の経済史の学徒には。
というわけで、おれはできるだけ、こういう生活の変化みたいなものを書き残しておきたいと思うわけだ。ネットには無尽蔵の記録が残る。名もなき庶民の言葉が残る。これはかつての時代では考えられなかったことだ。武士の家計簿が一冊残っていたところで、一冊に過ぎない。たまたま残っていただけで、それが代表的とか平均的だとかも言えないだろう。個人の日記もそうだ。そもそも文章を書ける人間が少ない時代もあった。それに比べて今、このインターネットがある時代は……。
……と、思っていた時代もありました。ところがあれだな、ネットの情報は簡単に失われる。レンタルサーバやブログサービスが終わったら、あっさり消える。紙の本のほうがよほど残る。はっきりいってがっかりだ。「ある時代の世界が際限ないまでに記録されていくのではないか?」という希望はすっかりなくなった。
それでも、なにかの間違いで残ってくれないか。全員の全部が無理でも、どこかのだれかのが少しでも残ってくれないか。おれはそういう思いでネットに文章を載せている。ネット上のどんなくだらない争いごと、5日で忘れられるような炎上だろうと、それが100年残れば面白いと、おれは思うんだよな。