読書
私たちは一人一人がイメージ・プロセッサーである。外から入ってきた情報をいつのまにかプロセッシングをしている。これを情報処理という。どのように処理しているのであろうか。 ごく一般的には、最初に外界からの入力刺戟があり、そこで入力済みの情報の呼…
寄稿いたしました。 blog.tinect.jp メガトン級「大失敗」の世界史 (河出文庫) 作者:トム・フィリップス 河出書房新社 Amazon こちらの本の感想です。これ、人間が失敗に至る脳、心理の構造から、こまかいエピソード、植民地政策などへの批判的な視点など、…
寄稿いたしました。 blog.tinect.jp 2000年とちょっと前に書かれたキケロの『老年論』の感想になります。 で、書いたとおりなんだけど、昔から人間の考えること、感じることなんて、今とたいして変わりねえな、と。いや、価値観のものすごい違いだってあるん…
超新星紀元 作者:劉 慈欣 早川書房 Amazon 1999年末、超新星爆発によって発生した放射線バーストが地球に降り注ぎ、人類に壊滅的な被害をもたらす。一年後に十三歳以上の大人すべてが死にいたることが判明したのだ。"超新星紀元"の地球は子どもたちに託され…
このごろ読んだ本をメモしておく。かつては一冊読んでは、一冊の感想など書いていたものだが、めんどうくさくなって書かなくなってしまった。でも、せっかく読んだのだからちょっとは書いておこうかと思って、こんなんメモする。 西洋倫理思想の考え方 作者:…
寄稿いたしました。 blog.tinect.jp イギリスの「禁煙法」について、最近興味をもっている倫理学の立場からどんなんだろう、みたいな話です。 そのあと、こんな本を読みました。 タバコ吸ってもいいですか ― 喫煙規制と自由の相剋 (法と哲学新書) 作者:児玉 …
寄稿させていただきました。上タン食べ放題の話から功利主義の話をしようと原稿を書き始めたら難しくて、構成を逆にしてみました。 blog.tinect.jp 功利主義。反出生主義者をやっていると、そう指摘される。では、功利主義はなんだろう? ということで、何冊…
ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫) 作者:シャーウッド・アンダーソン 新潮社 Amazon シャーウッド・アンダーソンの『ワインズバーグ、オハイオ』を読んだ。 シャーウッド・アンダーソン - Wikipedia シャーウッド・アンダーソンは1876年にオハイオで生ま…
寄稿いたしました。 blog.tinect.jp けっこう気合をいれて読んで、書いたので、よかったら読んでください。「弱いロボット」の持つ意味について、ちょっとでも触れることができていればいいな。 で、。ロボットといっても、自分がこの話から興味を持ったのは…
ヴィクトリア (岩波文庫) 作者:クヌート・ハムスン 岩波書店 Amazon 「愛に似たものは世界にふたつと存在しない」──城の令嬢と粉屋の息子、幼なじみのふたりをしだいに隔てる階層の壁。世紀末ノルウェーの森で、秘められた思いと幻想が静かに燃える。大自然…
「助けて」が言えない---SOSを出さない人に支援者は何ができるか 日本評論社 Amazon 『「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか』という本を読んだ。「まだ依存症関連の本読んでるのか」と言われると、まあ、おれはハイパーリンク(最近…
承前。 goldhead.hatenablog.com 読みたい小説がある。とても古い小説で、日本語訳が手に入らない。元はノルウェー語だが、とりあえずプロジェクト・グーテンベルクの英語版は見つけた。おれは英語が読めない。翻訳エンジンを使うしかない。比べてみたらAIに…
承前。 goldhead.hatenablog.com おれは761,000文字ある英文の小説を、AIに翻訳させたいと思った。思って、やり方をChatGPT3.5に聞いて、Pythonがいいという。はて、Python、なんだかわからんが、そのインストールから始めたのが昨日の朝。 とにかく、テキス…
まずPythonというものの環境をセットアップ。OpenAIのAPIキーの取得。そして、言われた通りにコードを流し込んでみる。おれは今どきの高校生が習うくらいのプログラミングの基礎も知らない。それでもおれはハムスンの『土地の恵み』をAIにハードボイルド風に…
今週のお題「最近読んでるもの」 おれはこの間、クヌート・ハムスンの『飢え』を読んだ。たいへんに面白かった。 ノーベル文学賞は強い クヌート・ハムスン『飢え』を読め! - 関内関外日記 面白かったので、ノーベル文学賞受賞作である『土の恵み』を読みた…
僕は自分をこの昏睡に陥りかけた世界のただ中で、病いにとりつかれている死にかけた一匹の虫のように感じた。僕は非常な恐怖を抱いてベンチを立ち上がり、荒々しい足取りで二、三歩歩きかけた、いや、いけない! 僕は思わず叫んで両手を握りしめた。こんなこ…
寄稿いたしました。 図書館と本についてです。 blog.tinect.jp なぜおれは図書館で本を借りることを恥ずかしく感じるか。そんな話。 いや、できることなら、おれは読む本すべて所有したい。おれの本にしたい。でも、そんな金がない。しょうもない人生。 で、…
またまた寄稿いたしました。 blog.tinect.jp プーチンのロシアにおいて、どうも見かけなくなってしまった大酒飲みのロシア人についての話。ロシアのアネクドートとかもいくつか入ってておもしろいと思うんで、ぜひ読んでください。 で、大酒飲みのロシア人を…
ドラッカーを初めて読む ドラッカー最後の言葉 (講談社BIZ) 作者:ピーター.F・ドラッカー 講談社 Amazon 図書館の棚を見ていてこの本が目に入った。薄い本だ。「そうよな、ドラッカーよな」と思い、手に取った。少し読んでみたら、晩年のインタビューらしい…
goldhead.hatenablog.com 先日の続きで、こちらの本から考えたこと書くけどさー。 頭のいい人が話す前に考えていること 作者:安達 裕哉 ダイヤモンド社 Amazon まず、基本的におれって頭がいいじゃん。あ、そう見えない? でもさー、どちらかっていうと、お…
Books&Appsの安達裕哉さんより献本いただきました。 頭のいい人が話す前に考えていること 作者:安達 裕哉 ダイヤモンド社 Amazon 『頭のいい人が話す前に考えていること』、これである。 と、この本の感想を書く前に、なぜ献本に至ったか、という説明が必要…
寄稿いたしました。 blog.tinect.jp ……わりと「自分が面白いと思ったこと」について書いております。この記事が面白いかはしりません。でも、おれが紹介したもんはおもしれーんだ。 しらねーけど、この話は面白いんだよ。読んだ? 読んだよね? というわけで…
このごろ孟子が気になっている。気になっているので本を借りたりした。同じ棚に、こんな本を見つけたので、とりあえず手にとってみた。 一億三千万人のための『論語』教室 (河出新書) 作者:高橋源一郎 河出書房新社 Amazon 高橋源一郎の『一億三千万人のため…
またまた寄稿いたしました。 blog.tinect.jp 独学? おまえのはただの読書だろ? という話になるが、自分としては一人で学んでいるのだという気分もいくらかあるのでご容赦いただきたい。 上の記事で取り上げたのは小室直樹の『天皇の原理』である。一人で読…
今年はあまり本を読めなかった。五冊くらいしか読んでいないかもしれない。それでも、おもしろいと思った本、人にすすめたくなる本というものもある。もうろくに読まれなくなってしまったおれだけれども、さらに読まれない年末にまとめて再度おすすめしたい…
科学するブッダ 犀の角たち (角川ソフィア文庫) 作者:佐々木 閑 KADOKAWA Amazon なにやら、具と麺が乖離していてべつべつのものを食べたような、そんな本であった。前半は「物理学」、「進化論」、「数学」についての歴史が記されている。それは西洋のもの…
またまた寄稿いたしました。 ぜひともお読みください。 blog.tinect.jp ……お読みいただけましたか? ………読んでくれたよね? にゃ。 というわけで、おれはトキソプラズマの話が面白いと思ったのですが、それは記事の方を読んでください。 ここでは、ちょっと…
あの頃な 作者:マンボウやしろ 角川春樹事務所 Amazon ……新しい生活様式とかニューワールドオーダーとかネクストフェーズとか、なんかいろいろな言葉や概念がどんどん押し寄せてきては、僕らを追い抜いていくような感覚がありますけど、そういう類のことでは…
つけびの村 作者:高橋ユキ 晶文社 Amazon 少し前にネットで話題になっていた話かな? と思った。その通りで、著者がいろいろの出版社に持ち込んだが売れず、noteで販売してみたが、それでも反応は少なく……と、思っていたら、いきなり売れたという話であった…
この間、中島岳志の『超国家主義』を読んだ。 超国家主義 (単行本) 作者:中島 岳志 筑摩書房 Amazon 同著者の『朝日平吾の鬱屈』、『親鸞と日本主義』をはじめとして、いくらかいろいろな当時についての本を読んでいたので、いわばダイジェスト的な本である…