図書館でレイ・ブラッドベリの本をジュニアコーナーで探していたら、この本が目に入った。あ、ケン・リュウじゃん。こっちにしよう。そう思って借りた。
……あれ、読んだことあるんじゃね?
というわけで、単行本『紙の動物園』から文庫化された本でした。
というか、おれは正直に2年前のおれの嘘を告白しよう。おれは『紙の動物園』をすべて読んでいない。表題作は読んだ。「もののあはれ」も読んだ。だけど、全部読んでない。だって、この文庫本で初めて読んだやつがあるのだもの。
おれはときどき、いや、かなり嘘をつく。おれが実は21歳の女性で、浅草花やしきに勤めているなんてだれも知らないだろう。
で、正直言って、今回はじめて読んだ「良い狩りを」がすげえよかったと書き残しておく。舞台は西洋文明が入り込んできた清朝末期、妖狐を狩ろうとする妖怪退治師の親子がいて……、短篇なので内容はあまり書かないほうがいい。して、この作品、日本での評価が高く、ケン・リュウ自身もベスト的な作品としているらしいが、アメリカではそれほどでもないらしい。それは西洋人の描かれ方などもあるかもしれないが、独自の文化がほかの文明に……乗っ取られた? 侵略された? 上書きされた? なんと表現していいかわからないが、そういう経験を持った東アジアの人間の末裔の感傷があるのかもしれない。結局、脱亜入欧を目指した日本は少し遅れていた他のアジアを乗っ取ろうとしたわけだが。
まあ、そんなことはこの話とはとりあえず関係ない。だが、短篇なので「良い狩りを」の良さを良く紹介する術をおれは持たない。まあ、読めばいい。ほかも外れはない。『紙の動物園』を読めばいいという話だが、『もののあはれ』を読んでもいいだろうし、好きにすればいい。そんだけ。
あ、今回は、「これ、読んだな」とか思いつつ全部読んだ。不死に関する作品にもいろいろ考えるところはあるが、まあ、おれはいつもいろいろ考えているのでいつか書くこともあるだろう。おれは「これ、読んだことあるな」と思う話を再び読むこともできる。おれはかなり嘘をつく。
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