おれは100年生きられないだろうが

またまた寄稿いたしました。

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この本を読んでからの着想というか、思いつきというか、「不老不死」について考えた。この本、ノンフィクションとフィクションが入り交ざって、最後は結構いい感じに展開するので、とりあえずおすすめ。あと、書かれたのがつい最近なので、セルフィー文化、SNS文化、バズり文化についても、時代を反映させているといえる。フランスも一緒なのね、みたいな。

で、おれは不老と不死についていろいろ考えたが、まあともかく現時点で「不老不死」は無理にしても、そちらに向かって進んでいる、あるいは進んだことは確かだろう。長寿化といっていいだろうか。

が、長寿と言っても「寿」なのかはわからない。

シロクマ先生もそんなことを書かれていた。

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人生100年、これである。おれは不死になってなお働き続けなきゃいけないとしたら地獄だと書いたが、具体的にはこちらのほうが現実的な話だ。

とはいえ、たぶん別の現実を言ってしまえば、人生100年生きられるのは、いわゆる勝ち組だけだろう。とりあえず現時点では、「勝ち組にしか人生100年社会はない」ではないだろうか。

というのも、『世界不死計画』でも語られていたが、長寿には金もかかる。食べ物を始めとしたいろいろな節制も必要となる。それを実行する知識と意志が必要になる。

これ、なかなかできることじゃない。たとえばおれは、不死にはなりたいが、この今回の人生で長生きしたいとも思えない。長生きしたいと思ったところで、自殺を差っ引いても短い双極性障害者の寿命、やめられない酒、コロナを機にやめてしまった運動……。せいぜい「野菜ばかり食っている」ところくらいしか長生き要素はない。いや、野菜だけ食っていてもダメで、適切なバランスもあることだろうが、そんな丁寧な食生活をするだけの金と精神的余裕がない。

というわけで、まずは現時点での人生の状況によって100年生きられるかどうかという分岐点があって、その先で大勢の人間が100年生きるようになって、はじめてその生き方の内容になってくるのだと思う。

が、その割合というものが、なんかもうけっこう大勢が100年時代になってんのかな。そのあたりはわからん。

……って、調べてみるか。

平均寿命更新で再考したい「老後のお金」の真実 | 家計・貯金 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

平均寿命における中央値は何歳なのでしょうか。厚労省の簡易生命表(2019年・令和元年)によると、平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳ですが、同年代の人口が半減するのは女性90~91歳、男性84~85歳となります。

つまり、2人に1人の割合で、女性は90歳まで、男性は84歳まで生きるということです。なお、4人に1人の割合で、女性は95歳まで、男性は90歳まで生きます。

ある年齢まで生きる割合を「生存率」という言葉で表現すると、生存率は平均寿命に近い女性87歳では63.71%、男性81歳で61.30%となります。わかりやすく例えると、3人に2人は平均寿命まで生きるということです。

筆者が、企業のライフプラン研修や一般向けのセミナーで寿命に関する事実を伝えると、貧血を起こすほどのショックを受ける人もいます。多くの人は寿命に対する考え方を改めることで、自身の家計や資産形成への意欲が芽生えます。

こりゃ貧血を起こすほどのショックだわ。老後資金なんてどこにあるんだ。いや、それは嘘だ。そんなセミナーに参加するような人は、元からその可能性が高そうな人だ。それに比べておれは、長生きの見込みが小さい。もう、いま、入ってきた金を使い切って、死んでしまおう。貯めておいても、その前に死ぬ。その心意気である。……と言いつつ、守銭奴の小心者なので、入ってきた金を本当に使い切っているかというとそうでもない。

なんだろうね、家族もなにもない身の上、もっと好き勝手遊んで、楽しんで、そんでいいタイミングで死ねたらいいね。でもね、好き勝手遊ぶだけの金も時間もないのも確かで、とてもささやかな遊びしかできない。というか、そもそも遊び方を知らない。高級な美食へのアクセスも知らないし、飛行機の乗り方も知らない。金もないし、遊ぶ知識もない。

まあ、遊びを知らないからこそなんとか生きていられるのかもしれないが(その割には馬券は欠かさず買うよな)。ともかく、地味に這いつくばって生きて、路上でひっそりと冷たくなっている。そんなのが行く末だろう。

 

goldhead.hatenablog.com

顕性房云、我は遁世の始よりして、疾く死ばやと云事を習しなり。さればこそ、三十余年間、ならひし故に今は片時も忘れず。とく死たければ、すこしも延たる様なければ、むねがつぶれて、わびしき也。さればこそ、符護一も、よくてもたむとする事をば制すれ。生死を厭事を大事とおもはざらんや、云々。