投票日前日のお気持ちについて
いよいよ明日が2022年参議院選挙の投票日となった。
いきなりだが、おれは期日前投票をしたことがない。普通の投票所の場所が家からかなり近いので、わざわざ期日前の会場に行くのが面倒くさい、というのはある。しかし、なんといってもライブ感というものがある。選挙に行って、競馬を見て、夜は開票速報。
開票速報には出馬表が欠かせない。今回は「サンデー毎日」を買って用意してある。「サンデー毎日」は生まれて初めて買った。おれは選挙を競馬のレースのように見ている面もある。スポーツやゲームの観戦趣味のようなものだ。それは否定できない。
まあ、いずれにせよ、競馬のためにだいたい日曜日は開けてある人間の言うことである。期日前投票が便利な人はそうすればいい。そうすればいい、などと言っても、今回に関してはもう遅いが。
さて、「判断が遅い!」のが今回のおれの参院選に対しての姿勢ということになる。要するに、今、これを書いている前日23時の時点で、選挙区も、比例代表も、投票先が決まっていない。
いつも遅いのかというと、そういうわけでもない。公示時点で、あるいはその前から決まっていることもある。選挙戦の中盤で決めることもあるし、今回のようなこともある。
無党派層、支持政党なし、そう言われればそういうことになるかもしれない。ただ、積極的に入れないぞ、という政党がないわけでもない。不支持政党あり。
選挙では「当落線上の」「若い」「女性」候補者に投票しています - 斗比主閲子の姑日記
- [政治]
当落線上の候補に入れるのが、自分の一票の価値を高めるような感じがするのは非常にわかるけど、おれは死に票確実でも無所属、泡沫、零細の候補に入れる価値も信じたい。どちらにするかはそのとき次第。
2022/07/08 21:10
して、おれは方程式のように(方程式ってなんだっけ?)、自動的に投票先を決めるやり方は採用していない。毎度馬鹿みたいに考えたり、考えなかったりして、そして投票する。
と、先程から「こいつなんだか定まっていないな」と思われるかもしれない。まさにその通りなのである。おれの政治、あるいは思想への態度の根幹は「定めないようにする」ことだ。自由であるのがよい。
賢くないものは、せめて流動的であるほうがましではないだろうか。毎回違うものを選べば、当たる可能性も出てくる。そんなところだ。一所に留まっているのは危ないかもしれない。下手の考え休むに似たりというが、休むより考えたほうがましである。おれは常に自分を信用していない。それが信念かもしれない。
むろん、そのとおりにできているかといえば、そうとも言えないかもしれない。「不支持政党あり」と書いたばかりだ。具体的に言ってしまえば、例えば公明党に入れようと思ったことは一度もないし、今後もないだろう。そのような党はいくつかある。
それは自分の信念に反するところかもしれないが、信念に留まりつづけるのもまた自由に反する。この矛盾を抱えて生きる。
さて、そんな観念的なことはどうでもよく、投票所に行けばなに書かなくてはならない。いや、自由を信念とするならば、なにも書かなくてもいいし、そもそも行かなくてもいい。ただ、おれは好きで選挙に行く。馬券を買ったほうが競馬は面白い。
というわけで、とりあえず行くことは決まっているし、とりあえず白票にしないことも決まっている。問題なのは何を書くかだ。
神奈川選挙区の展望のようなものについては、数日前に記した。
情勢調査では神奈川選挙区、5つ(1つは欠員埋めのため任期3年)の議席のうち、自民2、維新1、そしておそらく公明1は固そうだ。勝負は立憲2候補と共産1候補。え、なぜ立憲が2なの? というのが上の記事に書いたこと。
で、その後どうなったか。新しい情報などはあったのか。情勢に変化はあったのか。情勢については、その後追っていないのでわからない。
さて、おれは「当落線上の候補に投票する」という信念はない。だが、当落線上の候補に投票したくなるのはわかるし、わかるどころかそれを理由に投票先を当初予定から変えたりすることもある。それも自由だ。
あえて死に票を投じることにも意味はある。これについては、そう考えていないと、それを軽視しがちになってしまうかもしれない恐れからだ。今の日本において選挙、それも国政選挙に立候補するというのは、実際的に大変なことなので、勝ち目がないにもかかわらずやろうとする人間は買いたいのである、基本的に。ただ、なんでも買えばいいというものでもないのだが。
そのあたりは長くなるので、上の記事でも読んで下さい。
で、今回のおれ。まず、ほぼ当選と見られている候補に入れるつもりはない。これは決まり。となると、当落線上の候補のだれかにいくか、ちょっと無理っぽいとされている候補に死に票をいくか、というところでとりあえず迷う。
が、今のところ、前者に傾いている。となると、3候補もしくは2候補の中のだれにするか、だ。さて。
……って、なんかもう、我ながら競馬予想の組み立てに似すぎていると思わざるをえない。「今回4強とされている人気馬からいくのは面白くないからやめて、問題は穴人気している馬からいくか、まったくの無印にいくかだ」……ってな。
さあ、どうしようね。今回については、「直前まで迷う」を選ぶことにする。というか、比例の方なんてまったくの手つかずだ。これも選挙区の政党に合わせるのか、分散させるのか、という選択肢が出てくる。比例では応援馬券を押さえておく、というのも手だ。なお、比例の方には今回個人名を書く気はない。そこまで調べていられなかったし、それ以前に「この人!」という候補もいないので。
というわけで、今のお気持ちとしては、記入台の前までわからんということだ。もしもおれのお気持ちを参考にしたいという人がいたら(いないと思うが)、悪いことは言わないから自分で考えたほうがよい。考えなくてもよい。好きにしろ。
安倍元首相暗殺事件の報道について
さて、ついでに触れておく。安倍元首相の暗殺事件についてである。これについては、大事件ではあるものの、あまり大々的に政治のイシューにするべきでもないし、報道も必要最低限にするべきではないのか。いや、この事件について今は語るのを避けるべきだ、という意味でもう自分も語ってしまっているが、そこんところは見逃してください。
まず、今のところ、容疑者の供述からは直接政治的な動機が見えないところ。いや、容疑者の供述のリーク報道や、記者会見での情報公表の是非がまずあって(是の部分も非の部分もある)、まあおれは奈良県警が容疑者の住所の末尾まで会見で公表したことには面食らったわけだが、そういうところもあって。
でもまあ、なんだ、これまた、「もしも容疑者が政治的背景を動機として語った場合、テロリストの言うことを投票行動に組み入れるか」という話にもなるが。いや、もしも、「○○党の指示でやりました」と供述したらどうなるのか。どうなるんだろうか。まだ犯行の真偽も真意もわからない、背景の捜査も終わっていない段階だ。警察は「某政治団体の指示と供述しており」とか発表するのだろうか。とりあえず、選挙が終わるまで、それ自体隠すのだろうか。秘密主義はよくないが、選挙に混乱をもたらすので後者のほうがいいだろうか。
……と、仮定の話はともかくとして、いや、最後のあたりは仮定の話でもないだろう。べつに、急ぐことはないのだ。たしかに重大な事件ではある。だからといって、不確定な情報を慌てて流す必要はないだろう。警察も、マスコミも。
現行犯逮捕された犯人がいて、あとはしっかりと取り調べと捜査をして、最終的には裁判の場でいろいろとはっきりさせればいい。
とはいえ、もしもこれが単独の犯行でなく、組織的に自民党や政治家を狙ったものであったならば、急ぐ必要もある。その可能性もまだゼロではない。それはある。そういう意味で、政党や警察が警戒を強めるのは間違いではない。
そのうえであえて指摘したいが、各党政治家は「民主主義への攻撃」のような言い方をする。だが、それ自体どうなのかもわからないではないか。あまり現段階のリークなどの情報に振り回されたくはないと言いながら、そういう情報に乗っかってしまえば、個人的な逆恨み的犯行のような可能性もあるのだ。むろん、実は反民主主義的思想の持ち主で、選挙期間をあえて狙ったという可能性もある。今はわからない。いずれにせよ、逮捕直後の供述にどこまで信憑性があるのか。
たしかに応援演説中の現役議員の暗殺は、それ自体政治的な意味を持たざるをえない面はある。とはいえ、あくまで「民主主義の根幹の一つである選挙期間中に行われた犯行」であって(きちんとそのように表現する政治家もいる。たしか、岸田首相の最初のコメントも)、民主主義自体を狙ったかどうかは別ということだ。少なくとも今のところは。
今回のケースがどうかはともかく、まったく個人的な怨恨(色恋沙汰とか)で政治家が殺されないとも限らない。それも全部「民主主義の否定」といえるのかどうか。そのあたりは微妙だと思う。
まあしかし、事件直後、しかも選挙活動中に、同業者である政治家の暗殺に対して、そういったコメントをするのは正解だとは思うが。
あとはもう、マスコミはこの事件ついて報じすぎているように見える。繰り返すが、大事件だ。大事件だけれど、ちょっと度を超えているように思える。とくにテレビ。選挙直前だからこそ、だろうが、「だからこそ」自重も必要だったんじゃないだろうか。とにかく量が多すぎるし、同じことを流しすぎる。
「自民党に同情票が入るのがいやなの?」と思う人もいるだろうが、おれにはあまりそういう気持ちはない。というか、入るのか? 同情票、というくらいに思っているのだが、考えが甘いだろうか。元から自民党支持や、やや自民党支持だけれど、今回は勝つだろうから投票行かなくていいや、みたいな人を動かすかもしれないが、反対側から乗り換えるような人はいるだろうか。いや、あるかな。単純接触効果だっけ、そういうのもあなどれないというし。
ともかく、ちょっとなにか、ああ、やっぱり選挙への影響を危惧しているのかな、おれは。どんな影響にせよ、だ。
でも、これが選挙と離れた時期だったらどうだろうか。やっぱり、報道が拙速で大量すぎると思うだろう。銃を持った犯人が逃亡中というのならばともかく、現行犯逮捕された犯人はいて……組織的なものでないのかどうか、その点について警察は捜査を急ぐ必要はあるが、情報をリークすることについては急がなくてもいい。マスコミも、急がなくていい。ただでさえフェイクが瞬時に駆け巡ってしまうネットの時代だ。だからこそ、ソースたるべきマスコミも、変な方向に頑張らんでええから、と。
……とか、だらだら書いていたら日付が変わってしまった。でも、まあ前日のお気持ちはお気持ちなので、書き直さない。以上。