平日、京都、新幹線で来ました。
京都駅、こんなんなってん。
来たのは中学生のころの修学旅行以来だから、ようしらんでな。
この暑いなか、この階段をダッシュして登りはじめる中学生か高校生男子を見て、若いなーと思う。彼らも修学旅行生だろうか。こっちはもう、エスカレーター乗ってるだけで暑くてかなわん。
ひょっこり京都タワー。
なんかこんな空間。
こんな物体。
しっかり京都タワー。行きませんでした。行けばよかったかも。
牛カツ。その土地その土地の名物ってなに? みたいなところはあるが、おれにはよくわからん。京都なら京野菜? しかし、関西なのか牛肉の店が多いようにも。写真の色合いが悪いのはおれのせいで、肉はもっと赤々としていた。……え? ジビエじゃないし。
はい、いきなり五重塔。
殺されたりしない鳥。
「社会を明るくする運動」が街の景観を損ねている可能性運動。
はい、東寺。
人がいなーい。
ほんとにいなーい。
で、拝観料が必要なゾーンに入る。金堂、講堂、観智院セット。これは花の時期ではないけれどヤエベニシダレザクラ。樹齢120で、しかも移植されてきたという。すげえでかいし、花の時期はすごいんだろうな。ここ固有の名は「不二桜」。
はい、いい感じの五重塔。人がいません。
はい、これから金堂と講堂です。中は撮影禁止です。火気厳禁です。
まあそのね、人がいないのよ。薬師如来像もね、あの立体曼荼羅もね、貸し切り状態なのよ。貸し切りといっても、端っこに警備員の人が一人座っている。こんな静かなところでね、立体曼荼羅とかと一日中過ごしていたらね、たぶん警備員の人、悟りを開くね。ある日気づいたら、身体が光ってたりして、お坊さんとかが見て「あ、また悟ってしもうた。あたらしい警備員のバイト探さにゃ」とかなるんよ。で、光ってしまった警備員は高野山行くんだろうな。たぶん。
……っていうのはどうでもよくて、もうね、「おお、これ!」というのと、「しかも貸し切り!」という状況。インパクト半端ねえの。語彙ひどいな。まあいい。しかし、そういう感じなのよ。これが、なんかたくさん人ざわざわいるところで出会うのとは、たぶん大違いなのよ。ひょっとしたら、仏像を見ている時間はそんなに長くなかったかもしれない。でも、すげえ「見た!」という気持ちになれたのよ。「出会えた」ってなったのよ。ああ、いいなあ、すげえなあって思ったのよ。それはもう貴重な時間だったと言える。
で、静かな興奮を感じつつ出てみれば蓮の花なんか咲いてて。
「蓮華の浄しといえども泥を離れざるが如し」とか言われると、しみるよね。死んでから浄土に行くのではなく、この世を浄土とすべしってのは……まあいいや。おれも仏教の本を読み漁るのをやめて久しい。ただただありがたい。
そんで、最後の有料スポット「観智院」を探す。ここはすこし離れている。なんか入り口で説明されたが、まあ渡されたパンフレットに地図もあるし……と、たぶんここだろうという場所に来てみると、これは違うよな。
東寺でも根強い人気の二槽式。不二。
かなり暑いので喫茶店で一休みしようかと思ったら先月に閉店。
戻ってきてなんか立派な厠を発見。ボールでないなにかでキャッチボールしている職員がいて、はっちゃけてるなと思ったが、よく見たら学生だった。修学旅行の学生か、あるいは洛南の生徒か。
立派だったのでお借りしました。中も綺麗でした。
大阪の鳩はふてぶてしいという話を読んだことがあるが、京都の東寺の鳩もぜんぜん逃げない。
あった、本当の観智院。
観智院は、かつて修行僧の学びの場だったという。もちろん撮影禁止です(お庭は撮っていいのだったかな)。中にガイドの方がいて、いろいろと説明してくださる。学びの場だったので高僧も住まわれていた。高僧の元に位の高い人も訪れた。ゆえに、鶯張りの床(歩くと本当に音がする)、隠し扉で武士の控えの間、天井は忍者が入り込まないように紙張り……だとか。オー、ニンジャ。縁台みたいなところも、隙間が大きめでニンジャが潜り込んでも見つかるようになってるー。
そして、宮本武蔵が描いたとされる水墨画。ガイドの方、熱が入って、宮本武蔵の講談みたいになる。吉岡家のとかの戦いの話をされるが、肝心なのは一時期東寺に身を寄せていたというところでは、などと思う。まあ、これも今、人がいないがゆえの贅沢な話。宮本武蔵のものとされる水墨画は、劣化が激しく、やや見えるかというところ。
あとは、五大虚空菩薩像がね、なんで、左側に鳥っぽいのを二つというバランスなのかと失礼なことを思う。
はい、いきなり四条大橋。油断していると置いていかれるぞ。というか、タクシーなど使ってしまった。だって、電車だと駅まで歩かなきゃいけないし、短い距離なのに乗り換えもしなきゃいけないし。あと、バスはわからんし。
なんかレトロな。
レトロな感じ。ザ・観光地・京都。人も多い。東寺より確実に多い。すごく多い。
そして鴨川。等間隔にならぶカップルは見られなかった。鳩はふてぶてしい。
鴨川シーワールド。いや、それは関東の人間の考え。
出雲の阿国像。
また鴨川。暑いので、橋の下に人がいる。
これが鴨川かー。と、歩道をロードバイクがけっこうな速さで駆け抜けていく。人も少ないしな。いや、気をつけてね。
川床(かわゆか/かわどこ)に人影はなく、時間的に中途半端だったからだろうか。
……と、こんなところで、なんか終わる。
おれが言いたいのは、コロナで外国人観光客がおらず(添乗員付きツアー客のみという話だが、見かけなかった)、またコロナのせいかどうかわからないが日本人観光客も少ない。今こそ、京都じゃないかということだ。なにせ、東寺の立体曼荼羅貸し切り状態だ。ああ、もちろん、平日ということもある。それはある。
それでも、なんかオーバーツーリズムとまで言われる京都に、観光客が少ない。四条河原町のあたりはさすがに人が多く、目的地に行けなかったということもあるが、それでも東寺ですら、という感じ。たぶん、普段なら人で溢れている神社仏閣が今ならば、という感じかもしれない。おれは、すげえ機会に恵まれたと思った。これ以上ないと思った。
だから、今こそ……って、ちょっとまたコロナのほうがBA.5への置き換わりで大流行の兆しを見せているので言い切れないが、ひょっとしたら京都に行くチャンスなんじゃないの、とか思った。そのあたり、いろいろなリスクや影響を各々考えてください。おれは再流行の兆しの前に予約入れていたので、と言い訳しておく。いや、たぶん、こんな京都、もう来ないかもしれないし。いや、海外からのお客さん来なかったりしたら、観光産業の人困るかもしれないけど。そんなところ。
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「身は高野 心は東寺に おさめをく」との弘法大師のお言葉があるらしいが、どちらにも参ったおれはとりあえず真言密教初心者ということである。
初めて空海に興味を持ったのはこの本だったりする。