立憲民主党の神奈川選挙区の仕打ちについて

立憲民主、参院選神奈川の寺崎候補“見捨て”波紋、笠議員「上位の水野候補当選を最優先」 – SAKISIRU(サキシル)

 

Twitterをつらつら眺めていて知った、立憲民主党の神奈川選挙区の候補者「一本化」。こりゃひでえな、と思った。

選挙前に一本化するのはべつなんでもない。当たり前ともいえる。が、もう選挙は中盤というか終盤だ。ここに来て、これだ。これをもう、党内部の話ではなく、Twitterで現役議員がなんの臆面もなく呼びかけている。まだ寺崎候補は選挙活動を進めている。

立民、事実上の〝一本化〟 党本部の支援、水野氏に集中へ 参院選2022 | カナロコ by 神奈川新聞

複数の関係者によると、4日午前、党本部の西村智奈美幹事長から県連の阿部知子代表(衆院12区)と滝田孝徳幹事長に対し「今後は党の主力を水野氏に寄せ、確実に当選を図る」との方針が示された。その後、阿部氏が県連所属議員に党方針を伝えたという。

地元の神奈川新聞にも載っていた。紙面では寺崎陣営の「泉代表に方針撤回を求めるつもりだ」、みたいな声もあり。

……しかしまあ、なんで二人立候補させたんだよ、というのがそもそものところ。元から決まっていたのは寺崎候補。その後に、県連がねじ込む形で水野候補の立候補が決まった。そして、その時点から「共倒れ」の危険性は指摘されていた。

神奈川:立民候補一本化を断念 神奈川選挙区:地域ニュース : 読売新聞オンライン

党本部や県連の一部から「候補者を絞らないと共倒れする」との懸念もあった。党本部は一本化の調整に動いたが、2人の擁立を強調する県連の阿部知子代表(衆院議員)と合意できなかった。

なんとしても女性候補を、という阿部知子の意向があったという記事も読んだ気がする。いずれにせよ、読みが甘い。特例5枠で滑り込めるつもりだったのか。それとも、票読みもなにもなく、ただ党内のメンツ争いの結果、立候補者が不毛な戦いに挑まされることになったのか。

……と、おれはべつに立憲民主党支持者というわけでもない。とはいえ、投票の対象になる可能性がある党の一つではある。

そして、寺崎候補についても、上のような一本化断念記事を読んで知ったくらいだ。でもって、公示日の会社の昼休みの雑談で、「寺崎さんなんかかわいそうですよね」という話になったりした。相模原の人は駅前に立っているので寺崎候補の名前を知っていた。

なんで、いきなり「かわいそう」なのか。過去に選挙で落選しているとはいえ、水野候補はエリートだからだ。いや、大卒で議員秘書から地方議会でずっとやってきた人間も世間的にはエリートなのだろうが、やはり叩き上げという感じがする。

一方で、水野候補は宇宙から降ってきたような経歴だ。

水野素子 - Wikipedia

東大法学部卒で、JAXAで宇宙の条約について外交交渉とかしてきたのだ。「宇宙法に関する日本有数の実務研究者」とか書かれている。たぶんそうだろう。これは派手だし強い。

というかね、おれはまだ投票先を決めていないけれど、もしも立憲の二人のうちどちらかと言われたら、「宇宙時代だし、国会に宇宙法の専門家がいてもいいんじゃないのか」という理由で、水野候補に入れようかな、とか思っていたくらいだ。

が、今回の「一本化」の話で、なんか強引な立憲民主党のやり方に従わされるような気がしてしまい、ちょっと投票をためらうところがある。

現在の情勢、自民2議席三原じゅん子候補はもちろん、浅尾慶一郎候補も何党だかよくわからないが神奈川では名の知れた政治家)、維新1議席(大阪以外では弱いと言われる維新だが、松沢成文は「前神奈川県知事」であって、知名度はもちろんあるし、知事としてなんか大失敗したわけでもない。禁煙条例はわりと好意的に受け取られた)、公明1議席学会票がまとまればひとつは取れるだろう)あたりが確定。

そして、残りの任期3年枠を巡って、共産党候補と立憲民主党の二候補、という感じ。もしも自分の一票を当落線上の候補に、というのであれば、共産か立民、さらにいえば立民が「一本化」した水野候補ということになるわけだが、なんかもう立民共倒れしちまえよ、という気持ちも出てきたということだ。

別におれは共産党にいままでさんざん投票してきたし、忌避感はまったくない。でもなんだ、なんかかわいそうな寺崎さんに入れたりするとか、不合理な投票をするかもしれない。もちろん、おれは絶対に当選しない候補に投票することもいとわない。だから、投票先は未定だ。けど、ちょっと、水野さんに入れようかと傾いていたこともあって、立民なにしてんの? そもそも選挙前に一本化しておけよ? 選挙下手なの? この仕打ちを世間に見せて支持されると思ってるの? とか言いたくなる。党員でも党支持者でもない人間に言う資格があるのかどうかわからないが、まあそんなお気持ち。