2022年に読んだ本からおすすめしたいもの挙げたいのこと

今年はあまり本を読めなかった。五冊くらいしか読んでいないかもしれない。それでも、おもしろいと思った本、人にすすめたくなる本というものもある。もうろくに読まれなくなってしまったおれだけれども、さらに読まれない年末にまとめて再度おすすめしたい。あ、もちろんおれは新しい本を買う財力がないので昔の本ばかりである。

『なぜ心はこんなに脆いのか 不安や抑うつ進化心理学

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だいたいタイトルがすべてを語っている。当事者であり進化心理学がなんとなく好きなおれにとってはたいそうおもしろい本だった。でも、難しかった。病むべくして生み出され、健やかにと命じられ。

 

 

 

『つけびの村 噂が5人を殺したのか』

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ネットでも話題になった限界集落での連続殺人事件を追ったルポ。村には「いかにも地方の限界集落」だけでは片付けられない奇妙な空気が流れていて、そこに迷い込む著者もがんばる。ひっぱったオチがそれか、というのはどうかとしても、そこに至るまでも読む価値はある。

 

 

人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本

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イナダシュンスケさんによるチェーン店本。チェーン飲食店のこんなところがすごいんだぞ本。なんかもう、これは身近な話題でなおかつ、食べ物への愛が溢れていて、読みどころが多く、本当に面白かったな。そのあたりが面白いかは、上の記事にも書きすぎてしまったかもしれない。

 

 

 

『猫はこうして地球を征服した: 人の脳からインターネット、生態系まで』

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ネコチャンの本である。その人間になぜ飼われるようになったのか? 本当にネズミを獲るのに役立つのか? なぜ世界中に広まったのか? 問題はないのか? とにかく、ネコ好きは読んで損はないだろう。おれはとくにトキソプラズマの話が面白く、みんなネコチャンに頭やられてんだなって思った。

 

 

サステナブル・フード革命:食の未来を変えるイノベーション

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今年読んだなかで三番目に面白かった本。タイトル的になにか拒否感がある人もいるかと思うが、むしろ科学技術のイノベーション万歳というか、万歳とはいかないまでもちょっと先の農業技術はすごいことになっていて、いろいろな問題も解決されるんじゃあないかという話。

しかし、なによりなんというか著者の取材っぷり、書きっぷりがすばらしく、よい読み物になっている。もっと知られてほしい。

 

 

親鸞と日本主義』

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これはもうおれの中で大ヒットした一冊。日本主義、ウルトラといったら日蓮だろ、という単純なイメージを覆してくれる一冊。そして、親鸞の思想のようなものすら、国家主義超国家主義)に接近してしまう、その物事の考え方のすり替えのようなものの強さ、これである。思想も宗教もなにごとも「安心なやつ」というのはないと思わされる。親鸞好き、超国家主義好きの人はぜひご一読を。

 

三体

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今、日記を読み返して「あれ、『三体』今年だったんだ」と気づいた。正確には昨年末からの年末年始か。ひさびさにすさまじくのめり込む読書体験をした。SFのでかい棍棒を力任せに振り回してくる怪物であった。中国のSFとか、そういう枠はぶち超えてくる。ちょっとでも気になっている人は読んでみるべきだ。飛ぶぞ。

とか言いながら、公式スピンオフとか前日譚はまだ読んでないんだよな。読むかな。

 

 

 

 

……というわけで、こんなところ。正直、『三体』は今年と思っていなかったので、『親鸞と日本主義』が一番かなという感じ。あと、この年末年始もSF三昧しようかと、十年以上前のSF賞総なめ作品を読んでいるが、やっぱりあんな没入はないな……。

 

来年もなにかしら面白い本を読めたらと思う。そして紹介させてください。少ないですけど、なんか、ちょっとは。

 

以上。