レジの向きがひっくり返った社会で

またまた寄稿いたしました。

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読んでいただけましたか?

読みました?

読んだのかなぁ?

読んだんだよね?

信じるからね?

 

というわけで、ユニクロではほぼ全自動レジなるものが導入され、セブン-イレブンではレジの裏側がこっち向いたみたいなセルフレジが見られるようになった。おれは決まったスーパーにしか行かないので知らないが、いろいろの店、おもにチェーン店でいろいろなセルフが始まっていることと思う。

ある程度は、おれも新しいマシーンに消費者として対応できると思う。思うが、初見殺しとまではいかないまでも、「どうする?」という局面が出てくることもある。所在なさげな店員さんがやってくるかどうかというところで、エイヤッと対処することもある。

それにしてもなんだよ、なんかもうちょっと統一性がほしいよな。セルフレジならどの店行っても一緒、みたいな。まあ、市場原理だかなんだかわからんが、そういうわけにはいかんのだろうけど。

他でもない今夜、おれはセブン-イレブンで買い物した。双極性障害抑鬱、倦怠がひどくて(3/30は世界双極性障害デーらしい)、「これは飯を作るのは無理だ」と思ったから、珍しく晩飯にコンビニ弁当を買ったのだ。

おれはフラフラだった。フラフラながら、QUICPayを用意して、弁当とサラダを持ってレジに行った。「袋ください」と言った。店員さんがバーコードを読む。支払い方法の選択画面が出る。素早くタッチするタイプのペイを選択し、次にQUICPayを選ぶと、すぐにタッチ、即座に決済終了。レシートを手にとったあとに商品袋を受け取る。おれは店員さんに頭を下げもしなかった。そうするヒマもないし、上に書いたように、なんだか仕事をやらされているような気にもなって、「どうも」という一言をいう気が起こらない。

いずれは、「バーコード読み込んでくれてありがとう」と思う日もくるかもしれない。来ないかもしれない。先にバーコード読み取り、あるいはユニクロのようなシステムが一般化するかもしれない。あるいは、アメリカのGAFAのどこかが実験的に運営しているような、レジの存在すらないような仕組みに。

して、どうなるのかね。こないだユニクロに行って、女がセルフレジに手間取っていたら(日頃ほとんどキャッシュレス生活をしているのに、なぜかわからないがその日は現金払いを選び、普段使わない現金を取り出すのに時間がかかっていた)、やはり見守りもしくは監視の店員さんがやってきた。そして言うのだ。「五千円以上お買い上げのお客様に洗剤をお配りしています」と。

なんだろうね、なんか変だよな。従来のレジだったら、会計のときに五千円越えたら自動的に「洗剤を……」となるところだろうが、なんかこの場合、手間取った人間だけにお声がけ&サービスなのかね。さすがに見守り店員さんも個々の決済内容を盗み見するようなことはするまい。

と、盗み見と書いたが、店が自分の商品を客に売ることに、なにか後ろめたいことがあるだろうか。ちゃんと金払ってるのか、というのは何をいくら買うかなんてプライバシーでもなんでもない(クレジットの暗証番号とかはべつだけど)。けれど、なんだろうね、なんか買い物もプライベートなことになっていくのかね。個人情報。でも、商品のやりとりをするのに隠してはおけない。

いや、店のシステムと自分の間に商品と金銭のやりとりは生じるが、そこにいる店員に何を買ったか知られたくない、知られずに済む、そんな方向に向かってるのかもしれない。中国の無人店舗とかどうなってんのかな。

それにしても、人間、いらなくなるよな。そういう思いもある。まあ、日本も少子化か。そんでもって、もうこういう局面でのコミュニケーションいうものもなくなっていくか。いっても構わんか。まあ、おれは構わんけどね。

でも、おれの知らない世界。なんかハイブランドの世界、高級デパートの世界とかは、「さすが機械ではなく人間が応対するのか」ってことになるのかな。まあ、わからんよ。ただ、なんか今は変わり目だという気がする。みなさん、変わり目だ。せっかくだから観察しましょう。では。

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