ユニクロ|感動パンツ|MEN(メンズ)|公式オンラインストア(通販サイト)
会社の新聞に折り込まれていたユニクロのチラシ。「感動」なんて売る側が言うなよ、とか思った。思ったけれど、気になった。気になったので、とりあえず見るだけみてみようと思った。伊勢佐木モールのユニクロに行った。伊勢佐木モールのユニクロ、メンズは地下だ。地下でおれは感動パンツを手にとった。「なにこれ、軽い!」と思った。おれはサイズ違いの色違いを持って試着室に入った。試着室に入っておれは感動パンツを履いた。「なにこれ、サラサラ」と思った。おれは店員を呼んだ。「このパンツを作った職人に会いたいのだが」と言おうかと思った。言わなかった。かわりに、裾の長さを見てもらった。おれは足が短いので裾の長さが問題になる。「こういうのはいまどき、ちょっと短めですかね」、「はい、だぶつかないくらいの長さが流行りといいますか」、「じゃあ、そんな感じで」。
というわけで、おれは感動パンツを買った。ユニクロという企業、企業体質、労働問題、海外工場でのあれこれや。いろいろあるだろう。いろいろあるだろうが、そのいろいろのすべてを避けてこの消費社会を生きるのは無理だ。なのでおれはユニクロで買い物もする。正直、ユニクロですら少し高い、という貧乏人だ。貧乏人だが、感動パンツに感動したのでしかたない。「もっといいスーツを仕立てたら、そんなの当たり前だよ」、「もっと高くていいものはあるよ」、「登山用の……」とか、そんなのはどうでもいい。おれは高い服を買いに行くための高い服を買う金もないのだ。おれにはユニクロしかないのだ。そして、ユニクロの感動パンツに感動したのだ。感動したおれは写真を撮った。それが上に掲げられている写真だ。写真はおれの足の短さの結果である。
ちなみにおれが服に感動したのは、同じくユニクロのエアリズム切りっぱなし、そして、グンゼの切りっぱなしインナーである。
もう二十一世紀になってしばらく経つ。洗濯不要で一年中着ていられるシルバーのつなぎは発明されていない。だが、着実に、なにかしらいいものは作られている。パンツやパンツでそれを確かめられるのだ。何十万円もするわけじゃない。気になるなら、確かめてみればいい。
以上
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