アボカドについて

 昨日スーパーにて一個百円のアボカドを二個購入した。通常百五十八円程度だからお買い得だ。アボカドは森のバターと呼ばれるほど油分を含み、ワサビ醤油で食べればトロの味、パンに塗ったり、お好み焼きの生地に練り込んでも美味しいという、素敵な果実だ。
 ときどき安く売られているものの中に、普通より小さな種類があり、サイズの小さなメキシコ系かと思っていた。アボカドPersea americanaは大きく三系統(メキシコ系Mexican race,グアテマラ系Guatemalan race,西インド諸島系West Indian race)に分かれ、メキシコ系が野生種に一番近く、実が小さいのだ。しかし、さきほどアボカドで検索してみたところ、驚くほど充実したサイト「アボカド好き」を発見し、その中に日本に輸入されているのは‘ハス’(Persea americana 'Hass')のみとある。‘ハス’はグアテマラ系なので、ものによって小さな物が入ってきているということなのだろう。
 ちなみに、アボカドはクスノキ科ワニナシ属。属名のワニナシは漢字で「鰐梨」。グアテマラ系の果実の表面の突起を鰐の皮にたとえたもので、英名alligator pearの直訳だろう。昨日購入した物もそうだが、ほとんど熟していないものが売られている場合もあり、数日待って熟させるのがいい。ただ、おつとめ品として二個百円で売られていたアボカドをスーパーで見かけたことがあるが、ビニール袋の内部に茶色の液がにじみ出ており、あそこまで熟したものを生食できるかどうかはわからない。