よしもとおもしろ水族館へ行った

 予定通り中華街へ。天気はいいのになぜか人出は少ないように思えた。ふと、よしもとおもしろ水族館(http://www.omoshirosuizokukan.com/)を覗いてみることにした。入場料は大人一人千二百円。多少逡巡したものの、折角だしということで入場。
 で、入ったすぐそこの大きめな水槽にすぐにメロメロ。大きめといっても、一般の水族館にあるようなのを思い浮かべちゃいけない。ホームセンターの熱帯魚売場の大きめなあたり、みたいなものだ。しかし、単に水槽できらきらの魚とか、怪しくうごめく何だかわからない生き物とかだけで面白いから反則だ。
 で、他の水槽はさらに小ぶりで、ロッカーみたいなものなのだけれど、これがまたこぢんまりとしていてなかなか好もしい。「水族館なのに寿司屋を模した水槽」などが宣伝されていたけれど、そういうネタは少なく、予想以上にしっかり作られているという印象。説明板もクイズ形式などになっており、ここら辺の仕掛け具合などは自然公園等の公共屋外サインや公共教育施設や博物館内の展示物制作に携わる人は見ておいて損はないと思う。しかしまあ、先に言ったように、水槽の中身の生き物が面白いのだからそれでいい。はっきり言っておくが、俺はウミヘビだけ見て二時間過ごす自信がある。 
 しかし、一方で「これは……」と思ったのが吉本興業の本業である芸人だったと言わざるをえない。自分たちが入った少し先の方で大きな声がしており、若手芸人五、六人が解説およびネタ見せをやっていたのだ。修学旅行らしき男子高校生の群れなどを盛り上げてさせて、掴みは上々。水槽解説もそつなくこなし、いよいよネタ。しかし、このネタが見事にウケない。林屋亭どん太もかくや、という引き具合で、さっき前で「ウォー」とか応えていた男子高校生も一瞬沈黙してしまう。いやはや、水槽という逃げ場があってよかった。芸人達も「面白いところ探しをして隣の人に教えてあげてください」だとか、「次の水槽に移動しますけど、逃げないでください。顔は覚えましたから!」などと自虐に走る始末であった。そういえば、先週だったか、横浜美術館の前あたりでやはり若手芸人が水族館の客引きをしていたっけ。しかし、通りがかりの人を引かせていたのを思い出す。頑張れ!
 しかしまあ、いきなり水族館で芸人がネタをする、というのも他ではありえず、それはそれで楽しいといえば楽しかった。が、自分としては展示物としての思想性とギミックのデキの良さを評価したいと思った次第です。ただ、今後拡大するという話もあるように、いくらでも同じ水槽を見ていても飽きない一方で、全体のボリュームは物足りないかな。その、千二百円の入場料と見合うかどうかという点において。