つまんねえぞ! 第8回横浜トリエンナーレ「野草:いまここで生きてる」

 

第8回 横浜トリエンナーレ

 

横浜トリエンナーレに行った。やっているのかどうなのか、え、やっていたのか、という程度の第8回横浜トリエンナーレ。横浜市中区の住民として、正直言って盛り上がっている雰囲気はない。「え、はじまるの?」、「え、やってるの?」くらいの感じ。

 

横浜美術館もひさびさ。外壁になんか塗られているけど、リニューアルオープン。高嶺格に「小さな展示室が多くて現代美術の展示に向いていない」とディスられていた横浜美術館。中はどうなっているのか。

 

そんなんも気になりつつ入場。なんか明るくなっているような気はする。

 

しかし今回、「これ」というシンボル的なやつがないよな。

 

ビッグネームもないしな。なんかお祭りみたいなもんでもあるので、そういうの一発かましてほしいという気持ちもあるんだが、予算や方向性というものもあるのだろう。

 

そんでもって、雑に感想を書くけど、「反移民デモの映像撮れば現代アーティストなん?」みたいに思った。比重がさ、政治に寄りすぎているんよ。アートにはもちろん現代性だとか政治性みたいなものも要素としてはある。でも、要素なんよ。政治デモの動画流して「はい、アートです」って、工夫ねえだろ。

 

アートっていうのはさ、もっと驚きがなきゃいけねえんだよ。爆発だよ。爆発してなくてもいいけど、なんかワンダーであってほしいんだよ。「なんだこれ、なんだかわかんねえし、言語化もできねえけど、とにかくすげえな!」ってとこがあってほしいんだよ。

 

 

言語化できるような政治思想だとか、イズムなら、書かれた本読んでそれで終わりでいいんだよ。現場の映像を伝えたいなら、ニュース番組でもドキュメンタリー番組でもいいんだよ。それを含みつつ、ぶち抜いたもんがなきゃ、アートである意味なんてなんにもねえよ。

 

だからもう、今回の横浜トリエンナーレはつまんねえんだよ。ああ、おれの感想だよ。実際に見ないで、読まないで感想を抱くなんて最悪だ。だから、行って、見てくれ。ただ、おれの感想は「つまんねえぞ!」だったというだけだ。それを確かめてくれ。なんかこう、アーティストの魂の爆発みてえなもんを感じられなかった。

 

一緒に行った女の人に「なにが一番良かったですか?」って聞いたら、縄文土器とかが展示されているコーナーの岡本太郎の小さな作品がよかったって言ってたぜ。そんでもって、全体的に説教臭いよね、なんかアートってそういうところもあるけど、バランスがずいぶん変わっちゃったよねって話になった。……ところで、この写真の場所はなんだ? こんな場所しらんかったぞ。横浜は変わり続ける。

 

素人の乱とか、それがアートかどうかとかわからんけど、面白かったのがそのあたりってどうなんよ。横尾忠則の言う「冷たい芸術」ばっかりだ。デモの映像そのまま流してなにが面白いんだ。なんか一工夫しろよ。あとよ、こんなん言いたくねえけど、今回のアート・ディレクターは中国人なんだけど、じゃあよ、ウイグルの問題を取り扱った作品があったのかって話だよ。せいぜい台湾と香港のデモだよ。たいしたことねえよ。これはアートの話じゃねえし、ぜんぜんつまんねえんだけど、そういうレベルに落ちなきゃいけないほど、全体的にそういう展覧会だったんだよ。こんな話はしたくねえ。したくねえけど、そういう次元の展示ばっかりだったんだよ。

 

 

まあさ、世界は戦争やジェノサイドが現在進行中で、環境破壊やらなんやらもたいへんなことになっている。アートがそれに反応するのはわかる。わかるけど、未消化なんだよ。未昇華なんだよ。まずインパクトくれよ。強いの一発くれよ。そうじゃなきゃ、トリエンナーレとかの意味ねえよ。べつにおれは本読むよ、ニュース見るよ。でも、それだけじゃすまないからアートになんか求めるんだろうが。その求めに応えてくれよ。お説教は十分だ。

 

というわけで、いくつかおもしろいと思った作品もあったけど、書く気もしねえ。もちろん、20年以上前に文学部美学美術史学専攻中退したおれに知識もセンスもねえのかもしれない。このトリエンナーレ行って感動する人がいたとして、おれはそれをけなしもしないし、ほめたたえもしない。それはそれで勝手にしてくれ。

 

そんなわけで、おれはもやもやしつつ安アパートに帰った。帰る途中にこんなものを見たのだから、ご自由にもらったりした。

 

あと、ヨコトリひとつ買ったけど、それはそれで。

 

あ、もっと賢い専門家がオブラートに包んだ記事があったので、こちら。

「第8回横浜トリエンナーレ」開幕レポート! 世界中の「生きづらさ」を照らし、絶望から生き抜く術を見出すための現代アート。横浜美術館ほかで開催|Tokyo Art Beat

横浜美術館だけでも作家数、作品数が非常に多く、その背景にある歴史的、社会的、政治的な問題は非常に複雑で重い。たくさんの作家を知ることができるのは国際展の醍醐味だが、多くの鑑賞者にとってこの量は適正なのだろうか。祝祭感が薄く集中を迫られる空間で、怒涛のように押し寄せる世界中の「生きづらさ」。それぞれ固有の「生きづらさ」抱えた鑑賞者が、それをどれだけ受け止めたり、考えを深めたり、自分の身に照らしてみたりできるだろうか。

 

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