人間、全裸へ

調べでは、田辺容疑者は同日午後10時45分ごろ、同市美浜区幸町の公園で、全裸で歩き回って下半身を露出した疑い。通報で駆け付けた署員が取り押さえた。ベンチには短パンとタンクトップなどが脱いで置かれていた。調べに対し「ジョギング中で、気持ち良かったから服を脱いだ」などと供述している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080916-00000011-mai-soci

 この容疑者に性的な意味での露出癖があったのかどうかというところはわからないけれども、「ジョギング中で、気持ち良かったから服を脱いだ」のところに性的なニュアンスが含まれていないというのならば、それはそれでありうる話であるといっていいように思える。変態視されるのを覚悟の上で言うならば、全裸で外をほっつきあるくのは気持ちよさそうだ。それで走り回ったりするのも、なにかおそらく、他では得られない感覚がありそうに思える。ヌーディスト、などというイズムや団体性を帯びてくると、あまり付き合いたくはないが、自分のなかにそういう傾向がないといえば嘘になるようだ。
 ただ、この自分がストリーキングよろしく走り回る日がくるかどうかといえば、かなり怪しいといわざるをえない。まず第一に、部屋の外に出るのが嫌いだ。そして、ラフな格好で外に出るのも嫌いだ。自転車に乗るようになって多少改善されてきたとはいえ、だらしない生足をさらすのが嫌で、真夏も長ズボン以外は履かない、サンダルも嫌だ、そんな具合だ。想像だが、この容疑者も短パンとタンクトップという、きわめて薄着からの飛躍だったのだろう。俺が飛ぶには距離がありすぎる。
 だからこその全裸への志向、なのかもしらん。そして、俺は叶わないことしか望まないような、勝負の前に土俵から背を向ける不戦敗北主義者であって、俺が全裸で逮捕されて「全裸で外に出たらいけないって法律でもあるんですか!」とかわめきちらすような自体は起こらないと言える。そんなことだから、いつまでたっても一皮むけないのかもしれないが、むく必要があるかどうかはよくよく考えてみる必要があろう。