知らない道から知ってる道に急に出るとチベットスナギツネみたいな顔になる

 知らない道から知ってる道に急に出るとすごく驚く。キツネにつままれたような気になる。キツネにつままれたことはないし、キツネにつままれた人間の顔を見たこともないのだけれども(たぶん、チベットスナギツネみたいな顔になるのだろう)。
 そうだ、おれは今日、すばらしい横浜市中央図書館(書庫から出てきた本三冊が想像以上に分厚い上に、想定外の取り寄せ予約本ハードカバーまでお借りしました)から横浜駅方面に行った次は、野毛山動物園を越えて向こう側に行ってみようと思ったのだった。山越えである。山越えして、南に向かえばなんとかなるだろうといったいい加減な方向性だ。だから戦争に負ける。まあいい、今度はカメラを持ち歩きながら散歩したわけだ。
 で、結果としておれはチベットスナギツネになった。打越の坂や地蔵坂でない、なんとかいう細い坂を登り、住宅地の細い路地を下り、パッと知ってる道に出たのだ。さっきまで区すら違っていたような気がしたのに、どういうわけか? 全くよくわからなかった。参ってしまった。参りはしないが、あっけにとられた。というか、横浜市中区に引っ越してきて何年になるか、もう少し土地鑑を鍛えておく必要があるのではないか、などとも思う。
 写真の色がいやらしくどぎついのは、ほとんどアートなんとか機能のポップカラーとかいうのにしたから。レンズはSIGMA 18-200mm。これを高倍率ズームと呼ぶのかどうか知らないが、何を撮るのかわからないときは、やはりこれが安心できる。なんかこう、「撮りたいな」というときにレンズ交換とかやる気なくなるし、とか。そういう意味では、無駄にでかい画素数頼みでデジタルズームボタン(つーか、押すつもりないのに押しちゃうところについててむかつく)なんかもあんだろうけどさ。でも、超広角とか単焦点マクロとかそのへんも面白いし、それはそれか。まあいいや、おしまい。