John Bull Strikes Again

http://www.sankei.co.jp/news/050920/kok021.htm

 イラク南部バスラで19日夜、英軍部隊が複数の戦車で刑務所の壁を破壊し敷地内に突入、イラク当局に拘束されていた英兵2人を脱出させた。ロイター通信などが伝えた。2人は同日、秘密任務中にイラク警察と銃撃戦になり、拘束されていた。

 俺はこのニュースをはじめ耳にしたとき、妙な表現をするものだと思った。「刑務所」。テロリストのアジトかにあるのは「刑務所」じゃなくて、せいぜい「収容所」とか「監禁施設」じゃないのか、と。「刑務所」では国家がやっているものじゃないのか、と。……と、思ったのは完全に思い違いで、イラクの正式の刑務所に突っ込んだというのだから驚いた。そして、その理由が地元警察と撃ち合いになって捕まってしまった特殊部隊の救出。思わず、フレデリック・フォーサイスあたりを思い浮かべてしまう。特殊部隊ゆえに、正規の手順では救い出せない。そこで、仲間を救うために刑務所に戦車で突入。うーん、男のロマンじゃないですか。
 ……などというのは、もちろん思いっきり英国軍側から見た事情(事情、などといっても、まだこの程度の情報しかない段階だけれど)。これはイラク人にしてみればたまらない。政治的な取引で兵士を釈放するのも癪だろうけど、戦車で突っ込んでくるのはやりすぎだ。不羈の精神を持つと言われる民族だけに、怒りは深かろう。
 とはいえ、この英国軍のやり方も尋常なものとは思えず、ならば尋常でない裏があるのやもしれぬ。それもいずれ明らかになるかもしれないが、そのときまで俺が覚えてられるかどうかは定かではない。